第三話 怪人と炎その三
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「自動的に調整してくれる眼鏡なんですね」
「そうだよ、本当に特別な眼鏡なんだ」
「凄い眼鏡ですね」
「凄いのは度数を自動的に調整してくれるだけじゃない」
「といいますと」
「その見ている人の気、体温や気の動きまで見せてくれるんだ」
そうした眼鏡だというのだ。
「僕がそう願えばね」
「先輩のお考えも入れてくれるのですか」
「フレームにコンピューターがあるらしいんだ、祖父はかなりの予算を投じて僕の為に遺しておいてくれたんだ」
このだ、高性能の眼鏡をだというのだ。
「気というものを科学的に究明したうえでね」
「そういえば先輩の祖父さんって有名な科学者だったよな」
「うん、様々な研究をしていてね」
「凄いものを開発したりしてたんだよな」
「科学については天才だったと言われているよ」
それが智和の祖父だというのだ。
「もっとも、色々よくない噂もあるけれどね」
「そうなんだな」
「僕は祖父の裏の顔は知らないよ」
このことも真剣な面持ちで話す。
「けれどこの眼鏡を遺してくれたよ」
「それであたしの気も見てか」
「動きも見てね、君の気がもう覚醒するかと思ったんだ」
「そういうことか」
「そして氷のことも鑑みて」
「あたしのところに怪人が来るかもと思った」
「その通りになったね」
まさにだというのだ。
「本当に」
「そうだな、けれどああした怪人がまたあたしのところに出て来るんだな」
「そうなると思うよ」
「それであたしが炎の力で倒すんだよな」
「うん、それもね」
そうなるというのだ。
「決まっていると思うよ」
「難儀なことだな、ったく」
「ただね」
「ただ?」
「何故君が力を持っているのか」
このことからまた話す智和だった。
「そして怪人がどうして出て来て君を襲うのか」
「それはさっぱりわからないな、どっちも」
「まず怪人が何処から出て来るのか」
智和はこのことを指摘した。
「それからだね」
「そうだよな、湧いて出て来るにしてもな」
「出処は必ずあるよ」
何もなく出て来る筈がないというのだ、智和はその理知的な頭脳からこの結論を出した。
「何処かにね」
「そこを見付けることかよ」
「大事なことはね」
まさにだ、それこそがだというのだ。
「とりあえずはね」
「そうか、じゃあな」
「僕も協力するよ」
智和は自分から薊に申し出た。
「喜んでね」
「そうしてくれるのかよ、先輩も」
「一人でやっていけるかな」
そう問われるとだった、薊も。
戸惑った顔になってだ、こう智和に答えた。
「結構一匹狼みたいに言われてるけれどな」
「違うね」
「これでも寂しがりなんだよ」
このことは苦笑いで言ったのだった。
「だから先輩が協力してくれるのな
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