第29話 第二次グリニア星域会戦
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ンプ元帥自ら前線へヴァーゲンザイル艦隊の支援に赴いた。
「敵を牽制しつつヴァーゲンザイル艦隊を後方に移動させろ。以後、ヴァーゲンザイル艦隊は予備に回す」
「では、中央は」
「我が艦隊が直に出る。これ以上の無様は許されん」
「はっ」
15000隻を擁するケンプ艦隊が出て来た事で、数の差から第三艦隊はじりじりと押され始めた。
とはいえ、現状ではケンプ艦隊が優勢というだけであり、今後の展開次第ではどう転ぶか不明であった。
「戦局は全体的に我が艦隊が押しています。ですが……」
「敵を突き崩すには至らないようだな」
「ええ、それに多少優勢になったところで敵総司令部の直属艦隊が出てくれば互角に戻されるだけかと」
「ふむ……ヴァルキリーを発進させろ。第一、第二戦闘艇部隊出撃用意!」
「閣下、今の段階で航空戦力を出しても然したる戦果は望めませんぞ。確かに、制空権を握ることで敵の行動に掣肘を加える――というのは可能でしょうが……」
「そうではない。こちらが戦闘艇を発進させれば敵も戦闘艇を出してくる。敵の航空戦力を奪い、戦局を出来るだけ単純化させるのが目的だ。シンプルであればあるほど戦力の多いこちらが有利となる。違うか?」
「はっ、仰るとおりです」
果たして、ケンプの予想通り第三艦隊は戦闘艇に戦闘艇を当てる方針をとった。
ルフェール軍の新型戦闘艇は銀河帝国の旧主力戦闘艇ワルキューレを凌ぐ性能を誇るものの、ヴァルキリーが相手ではまだまだ分が悪い。
撃墜されていくのは、ほとんどがルフェールの戦闘艇であった。
「空戦は我が方に有利です」
「そうか。では、次の段階に入るとしよう」
ケンプの作戦は、ケンプ艦隊が目前の第三艦隊を押し込み、開いた隙間に予備戦力のヴァーゲンザイル艦隊が入り込んで敵本営を叩くというものである。
これが成功していれば、指揮系統に大混乱を起こしたルフェール軍は大敗を喫することになったであろう。
だが、現実には総司令部直属の分艦隊司令であるロイド・ジーグ少将、カルスール・ミクロン少将2名の奮戦によりヴァーゲンザイル艦隊の前進を阻んだ。
ヴァーゲンザイル艦隊の動きが鈍かったこともルフェール軍にとって幸いであった。
先の戦闘でルフェール軍に嵌められたヴァーゲンザイルは罠の存在を過剰に警戒し、結果として消極的な行動に終始してしまったのである。
そして、本営の危機を察したルフェール軍の各艦隊が少数ながら分艦隊を援軍として差し向けると、包囲されるのを恐れてか作戦を断念して後退した。
「ヴァーゲンザイルめ、2倍の兵力差がありながら突破もできんのか」
「ですが、あの敵分艦隊の指揮官は中々の力量を有しているかと」
「それでも、あの状況で進攻
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