暁 〜小説投稿サイト〜
ヘタリア大帝国
TURN139 銀河の真実その十一

[8]前話 [2]次話
「やっていくか」
「うん、最後の最後まで宜しくね」
 モンゴルの方もランスに笑顔で応える。
「折角だしな」
「そうだな、じゃあ今はな」
「羽根をのばすんだね」
「クミズでも飲むか」
 モンゴルの酒だ、馬乳から作る酒である。
「それと羊肉なりチーズなり食うか」
「モンゴルといえば羊ですけれど」
 シィルもここで言う。
「乳製品もよく食べますね」
「うん、そっちも沢山食べるよ」
 肉だけでなく、というのだ。
「穀物とか野菜は食べないからね」
「そうですね、今も」
「僕はこうしたのとお茶で充分だよ」
「遊牧民ですね、まさに」
 シィルもその話を聞いて頷く、そうした話をしてだった。
 ランス達はモンゴルと共にクミズとモンゴル料理を楽しみだした、程なくしてその場にコアイも来てだった。
 四人になってからも楽しむ、そうしてだった。
 その中でだ、コアイはこうモンゴルに尋ねた。
「祖国さんはこの戦争の後どうするの?」
「太平洋経済圏に入るかどうかだね」
「そこはどうするの?」
「入るよ」
 実に率直にだ、モンゴルはコアイに答えた。
「実際にね」
「そうなの」
「うん、入ってそうして」
「その中で生きるの」
「遊牧民もそれだけで生きてはいられないよ」
 これからはというのだ。
「各国とも貿易をしないとね」
「生きていられないの」
「元々遊牧民は貿易もしていたし」
 ただ草原で羊を飼って生きていただけではないというのだ、交易も行いそれでも生きてきたのが彼等なのだ。
「だからね」
「そうなのね」
「うん、だからコアイも」
「コアイも貿易するの」
「いや、コアイは提督のままでいいから」
「じゃあ祖国さんが貿易をするの」
「外交とかね」
 そうしたことはモンゴルがするというのだ、国家である彼が。
「だから任せてね」
「わかった、じゃあ」
「そういうことでね、けれどそれも」
 太平洋経済圏に入る、それもだというのだ。
「生き残ってからだね」
「それからだね」
「イモムシの連中を倒して」
 負けたらそれで終わりだ、だから余計にというのだ。
「そのうえでだよ」
「そうだね、じゃあ」
「敵が来たら」
 そのイモムシ達がというのだ。
「戦ってそして」
「生き残ろう」
 コアイも応えて言う。
「後の為にね」
「さて、この戦いが終わったら俺達はな」
「これでお別れになりますね」
 ランスとシィルは微笑んでいるが何処か寂しそうに言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ