暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep20ウソつきな仮面〜Mask of lie〜
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々のことを忘れていたフリをしていたのですか?≫

「何か怒ってない?」

≪答えてください、マイスター≫

「だって・・・だってさ、今回は前と違って、すぐに別れることになるんだよ・・・。そんなの辛いんだよ私は。だったら忘れたフリして他人のままで、独りで今回の事件を解決しようとした」

シャルロッテは俯きながらそう“トロイメライ”に答えた。

≪だそうですよ、なのは嬢≫

「っ!?」

“トロイメライ”のその言葉で、ようやくシャルロッテはなのはの存在に気付いた。振り向いたシャルロッテの視線の先に立つなのはがポロポロ涙を零しながらなら、「シャル・・・ちゃん・・・」と嗚咽混じりに名前を呼んだ。そしてフラフラとした足取りでシャルロッテに歩み寄っていく。

「なのは・・・。トロイメライ、後で憶えてなさいよ。えっと・・・久しぶり。元気そうで良かった、なのは」

シャルロッテが気まずそうな微笑を浮かべながら、親愛を込めて「なのは」と何度も呼んだ。なのはの抑えていた感情が溢れだす。

「シャルちゃん! シャルちゃん! シャルちゃん! シャルちゃん!」

シャルロッテへ駆けだし、その勢いのまま抱きついた。「のわっ!」とシャルロッテはなのはの勢いの付いた抱き着きを受け止めきれずに転倒、盛大に尻餅をついた。

「痛ったぁ〜い。もぉ、なのは。少し見ないうちに泣き虫になったんじゃない?」

「シャルちゃんの所為だからね! あんな嘘を吐いて、すごく悲しかった! すごく辛かった! すごく・・・すごく・・・!」

シャルロッテは自分の胸の上で泣き続けるなのはの頭を優しく撫で続ける。するとなのはも落ち着きを取り戻してきて、「シャルちゃんのバカ」と呟いてシャルロッテの上から退いた。

「ごめん。ホントにごめんね。私ひとりの感情で、なのは達・・・なのはを苦しめた」

目の前に座り込むなのはの額に自分の額をコツンと合わせ、嘘を吐いたことを心の底から謝罪した。なのはの涙に濡れた瞳を見詰め、シャルロッテはもう1度「ごめんね」と謝った。

「それじゃあ、これから一緒に居られるの? たとえ短い時間だとしても」

「嘘がバレた以上はそうするしかないでしょ」

なのはとシャルロッテは笑みを浮かべ、もう1度抱き締め合った。親友の温もりを感じるために。嘘ではないことを確かめるために。そんな2人を、部屋の外から見つめる2人。フェイトとレヴィだ。
シャルロッテの視線が廊下に向いていることに気付いたなのはは、シャルロッテ同様に扉、廊下の方へと視線を移した。そこには少し頬を赤らめたフェイトとレヴィがポツンと立っていた。

「すいません、お邪魔しました。ごゆっくりと続きをどうぞ。フェイトさん、お邪魔してはいけないので、帰りましょう」


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