暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep18くろがねの戦鳥 〜AGUILAS〜
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障壁もろとも闇色の炎を消し飛ばす。驚愕に染まるカルド隊は、直接大剣で斬り捨てる為に接近してきた。

「ここじゃ思いっ切り戦えない! 外に出ます!」

「ああ!」「おう!」

レヴィはなのは達を巻き込まないために地上へ出ることを提案し、シグナムとヴィータはそれに賛同して縦穴から出て行った。復讐の対象であるヴォルケンリッターが飛び去ったことで「逃すかッ!!」とカルド隊も3人に続いて縦穴から出て行った。

「やっとうるせぇのが行ったな。さて、オレ達も戦おうぜ騎士エリオ」

手うちわで顔を仰ぎながらグラナードがエリオへと視線を向ける。そしてエリオの返答を聞かずにフォヴニスへと砲撃発射の合図を送った。フォヴニスの両ハサミが開き、エリオを中央としたなのは達へと砲撃が放たれようとしたその時・・・

「ぐおっ!?」「がぁっ!?」「ごふっ!?」

上空からカルド隊の3人が墜落して来て、彼らは地面に叩きつけられた。さすがにこれは異常事態だとしてグラナードはフォヴニスに砲撃を中止させる。そしてルシリオンが「何事だ!?」と上空を見上げた。




「まったく」




凛とした女性の声が縦穴に響き渡る。なのは達も空を見上げ、そこに浮遊する女性の姿を見て驚愕に目を見開いた。




「何を考えているわけ? この現代に“魔族”を、しかも幻想一属を引っ張りだすなんて」




その女性は脹脛まであるアクアブルーの長髪を風に靡かせ、アザレアピンクの双眸でこちらを見下ろしている。
白のブラウス、背に三対の翼を携えた葡萄十字が刺繍された黒のベスト、赤いネクタイ。白のプリーツスカートに白のニーソックス。黒のローファーという出で立ち。そして右手には、彼女の身長(推定165cm)と同じくらいの桜色の刀身を持つ長刀を携えている。
なのはは無意識にその女性の名を口にした。

「シャル・・・ちゃん・・・?」

背に真紅の両翼を背負った女性。5年前に別れた親友シャルロッテ・フライハイトがそこには居た。
彼女の周囲にはレヴィとヴィータとシグナムが戸惑いの表情で浮遊している。シャルロッテはゆっくりと降下してきて、“テスタメント”幹部たちとなのは達の間に降り立ち、なのは達へと振り向き、声をかけた。

「あなた達、少しは腕があるようだけど相手が悪いわ。ここは私に任せて、あなた達はここから離脱しなさい。ハッキリ言って足手まといよ」

シャルロッテは、なのは達のことを知らない他人とでも言うように感情の無い声でそう告げた。
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