暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep16氷神 〜Ancient Empress〜
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い“力”を目の当たりにしたのだから。

『確かに解放できるかもしれない。ただ、そのマスターというのは一筋縄ではいかないと思う』

「どういうことや、レヴィ?」

レヴィには珍しい後ろ向きな発言にはやてはそう尋ねる。

『たぶんマスターというのは、広場と212部隊の人たちを凍結させた男のことだと思うんだけど・・・』

『確かにあんな光景を見れば一筋縄じゃいかない相手なのは間違いないよ。でも、ルシルを解放することが出来れば、きっと他の幹部たちの妙な力を無くすことが出来るはず』

「それだけでも十分相対する価値はあるな」

フェイトとはやては“テスタメント”のリーダーであるハーデをどうにかすれば全てに決着がつくかもしれないと考えた。

『そのマスターなんだけど、魔術師である可能性があるの』

「『な・・・!?』」

フェイトとはやての何度目かの驚愕。

『最後の――広場を凍結させた術。アレからは強烈な神秘を感じた。ルシリオンやシャルロッテが扱う魔術と似た神秘。だからあの男が使った広域凍結も魔術だと思う』

レヴィから告げられた“特務六課”にとって最悪と言っても過言ではない情報。敵に魔術師が居る。それが何を示すのか。はやてとフェイトはよく解っている。戦ってどうにか出来る存在ではない。思い出すのは、かつてルシリオンとシャルロッテがみんなに見せた2人の記憶(しんじつ)で耳にした言葉。

――神秘を打倒するにはそれ以上の神秘を以ってあたえるべし――

現代の魔導師では過去の魔術師には勝つことは出来ない。

『界律の守護神テスタメントであるルシリオンの記憶を書き換えるなんて、魔術くらいのデタラメが無いと出来ないはず』

「そんな・・・やっぱり今回の事件は、私らじゃ解決できへんのか・・・?」

はやてが背もたれに体重を預け、天井を見上げている両目を右腕で隠す。レヴィの隣に映るフェイトも完全に呆けている。思考がほぼ停止した状態だ。ルシリオンをどうにかすれば何とかなる。そう思っていたときに、その彼を操る魔術師の可能性のある存在が敵に居る、と知ったのだ。

『それでなんだけど、はやてさん。わたしも嘱託魔導師として特務六課に入れてもらっていい?』

レヴィからの突然の“特務六課”へ参加したいとの言葉に、はやてとフェイトは唖然とする。

『わたしなら――万全で切り札を使った状態のわたしなら、何とか対抗できるはずだから。この身はかつて神秘であり、そしてこの身をこの世界に繋ぎとめる生定の宝玉。アレもまた神秘の塊。5年前ほどの神秘は扱えないけど、それでも一切の神秘の無い皆さんよりかはまともに戦えると思うの』

レヴィの最大の切り札、“許されざる嫉妬(レヴィヤタン)化”。“生定の宝玉”に宿る神秘を解放して、
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