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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep14束の間の再会 〜Father and Daughter〜
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る。

「ルシルパパ、ダメ、ダメ!」

レヴィのバインドで完全に拘束され身動きひとつ出来なくなったルシリオン。徐々に叫びは止み、虚ろな瞳は空を彷徨う。そしてゆっくりと抱き着いているヴィヴィオへと視線が移り、「ヴィヴィ・・・オ・・・?」と小さく呻いた。
その微かな声にヴィヴィオはハッとして「ルシルパパ!」と何度も呼ぶ。ヴィヴィオの必死な呼び掛けにルシリオンの瞳に光が戻る。すると焦点がハッキリとヴィヴィオに合い、カッと目が見開かれた。

「ルシルパパって・・・ヴィヴィオ!? な、なぜヴィヴィオが!?」

「ルシルパパ!!」

ヴィヴィオの瞳から大粒の涙がポロポロと零れる。先程までのような悲しみではなく嬉しさからの綺麗な涙だ。ルシリオンを力いっぱい抱きしめ、「ルシルパパ!」と何度も何度も呼んで彼の胸に顔を埋める。

愛娘(ヴィヴィオ)の想いの勝利、か)

レヴィとルーテシアはそんな2人の様子に、泣きたくなるほどの嬉しさが込み上がってきていた。レヴィはもう大丈夫だろうとバインドを全て解除。ルシリオンは自由になったその両腕でヴィヴィオを抱きしめ返し、そしてレヴィへと視線を移した。

「久しぶりルシリオン。わたしのこと、判る?」

レヴィが小悪魔的な笑みを浮かべつつ自分が誰かを尋ねるが、ルシリオンは??と首を少し傾げることで応えた。ヴィヴィオ達は顔を見合わせプッと噴き出した後に、ヴィヴィオがその答えを口にした。

「ルシルパパ。レヴィ、だよ」

「ども! レヴィヤタン・・・というのはもう過去だから。はじめまして、の方がいいかな? レヴィ・アルピーノです」

「・・・なに!? 本当なのか!? 何でそんなに大きくなっているんだ!?」

ルシリオンはレヴィが成長していることに心底驚愕していた。レヴィは「良く判らないけど、生定の宝玉の影響じゃない?」と答えた。ルシリオンは「そんな効果があったか、アレには?」と、抱きついたまま離れようとしないヴィヴィオの頭を撫でながら首を傾げていた。

「まぁ何はともあれルシリオンの記憶は元に戻ったわけだ。それで、どうして記憶が無くなってたの? というか記憶が無くなるような召喚なんてあるの?」

レヴィが核心を突く疑問を投げかける。ルシリオンが「それは」と口にした瞬間、それは起こった。

「――っ!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

――我との契約の下、汝、我が剣となり盾となり翼となりて、我が命を果たせ――

「ルシリオン!?」

「ルシルさん!?」

「ルシルパパ!?」

ルシリオンは咄嗟にヴィヴィオを傷つけないように身体を離す。そして頭を強く抱え、苦痛に耐えるように強く歯を噛み締める。首にはアイスグリーンの環状魔法陣が生
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