暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep14束の間の再会 〜Father and Daughter〜
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」
「またか。私はルシリオンという名ではない。サフィーロだ。そして君のことは知らない。つまらない質問はやめていただこう」
「はぁ?『ヴィヴィオ、ルシリオンって自分のことすら憶えてないの?』」
ルシリオンが自分のことすら憶えていないなんてレヴィは聞いていなかった。ヴィヴィオはルシリオンから視線を外すことなく『あ、うん。あれ? 言ってなかったけ?』と返し、レヴィも『初耳』と返した。
レヴィはいよいよ疑問の限界に達しようとしていた。この世界で過ごした10年のことだけに留まらず、自分自身の名前すらも覚えていない。あり得なかった。いくらなんでも自分のことすら憶えていないなんて、これは異常過ぎるとレヴィは内心頭を抱えた。
『ごめんヴィヴィオ。わたしはもういい。少し整理したい』
『え? あ、うん・・・。それじゃあわたしが話をしてみる』
レヴィは念話でヴィヴィオにギブアップを告げ、ヴィヴィオとルシリオンを見守るように後ろへと下がった。
「あの・・・ルシルパパ」
「ルシルパパ? 以前にも君は私をそう呼んでいたが、改めて聞くと凄まじい間違い方だな。高町ヴィヴィオ。先程も言った通り私の名はサフィーロだ。妻が居なければ子も居ない」
眉を顰めながら何度目かの名の訂正。しかしヴィヴィオは引き下がらず、ゆっくりとさらにルシリオンと歩み寄る。ルーテシアが「ちょっと・・・」と止めようか迷ったが、ヴィヴィオを信じ、そのまま見守ることにした。
「これを見てくれますか」
ヴィヴィオは小さなモニターを展開させた。映し出したのは5年前、サフィーロとしてのルシリオンではなく、ルシリオン・セインテスト・フォン・フライハイトとしての写真だった。
“機動六課”時代の集合写真。ヴィヴィオとフェイトとルシリオンの3ショット。シャルロッテとの2ショット。スバル達の訓練風景。ヴィヴィオを肩車している写真。
次々と映し出されるその写真を見て、ルシリオンは「これは私だ・・・?」と驚愕の表情を浮かべていた。
「ルシルパパはわたしの本当のパパじゃないけど、でも確かにわたしのパパだったんだよ?」
バインドで拘束され両膝を付いているルシリオンと目を合わせるヴィヴィオの瞳は潤んで、目の端には大粒の涙が浮かんでいる。ルシリオンは「あ、あ・・・あ・・・」と言葉にならない様子でヴィヴィオとモニターを交互に見つめ続ける。
「私は? 私は・・・私、は・・・わ、た、し、はぁぁぁああああぁぁぁああああぁぁぁぁッ!!」
「「「っ!?」」」
ルシリオンが急に叫び出し、苦しそうに頭を振り、額を地面に叩きつける。ヴィヴィオは「やめてルシルパパ!」と叫んで、ルーテシアも続いて頭突きを止めさせようと必死にしがみ付き、レヴィもさらにバインドを作り出して拘束す
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