暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep14束の間の再会 〜Father and Daughter〜
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れている。
3年前、彼女の手によって殺害されたトレジャーハンター・シャレードが開いたときは白紙だったはずの“赤い本”。しかし今は白紙ではなく文字がちゃんと記された歴とした書物だった。

「・・・読み手を選ぶ書物。ディオサの魔道書」

ハーデはその“赤い本”のことを“ディオサの魔道書”と呼び、何ページも捲っていく。後半のページを開くと白紙だったが、すぐに白紙のページを埋めるように文字が浮かび上がってきた。読み手を選ぶ魔道書。実際には文字が記されていたにも関わらず、トレジャーハンター・シャレードには“ディオサの魔道書”を読む資格が無かったことで白紙に見えていたのだ。

「私の命が尽きる前に、必ず管理局を変えてみせる」

最後のページに記された文字をそっと指でなぞる。そのページにはこう記されていた。

“最大禁呪ラグナロク”の術式構成、と。

・―・―・―・―・―・

ルシリオンは、以前ハーデに用意された目立つ白コートとは真逆の黒コートとスーツに身を包み、ミッドチルダ北部の市街地をぶらりと歩いていた。
3年前に初めて訪れて以来、ミッドチルダの街をゆっくり歩くことはなかった。記憶も名も無い時、サフィーロという名を与えてくれた、仕えるべき主であるハーデの住まう街を見て回りたいと思い、今こうして歩いて見回っていたのだ。

「書店か。少し寄っていこう」

色々と見て回った後、大型書店に立ち寄って様々な蔵書を試し読みしていく。知識を蓄える。それが彼にとって唯一の趣味だった。ある程度の本を読み終え、そろそろ本拠地である“オムニシエンス”へ帰ろうかと思い書店を後にする。
ルシリオンは“オムニシエンス”へと超長距離転移するために、人目のない場所を目指す。歩きだし始めたそんな彼の意識に1つの反応が入り込む。誰かに見られている、と。気付いたことを悟られないように注意して、当初の目的通り静かに人目のない場所へと移動する。

(・・・ついてくる、か。管理局か?)

確実に尾行してくる1つの反応を管理局員だと推測する。戦闘行動の許可を貰ってはいない以上、このまま尾行を撒くのが最良だと判断。少し歩みを速める。角という角、路地裏という路地裏を突き進み、次第に向けられる視線が遠のいていくのが判る。

(なかなかの尾行術だったが、私をハッキリ意識しているのがかえって足を引っ張っていたな)

軽く一息つき、人気のない寂れた広場の中央へと歩を進めた。

――紫光瞬条(マナクル)――

「お?」

ルシリオンの足元にすみれ色のベルカ魔法陣が展開され、魔法陣から幾枚もの帯が出現し、彼の両手両足胴体を瞬時に捕える。彼は転倒するよりも早く両膝をついて転倒を免れた。そして正確無比且つバインドに対応する隙を与えないその速さに「これは驚いた」と
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