暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep14束の間の再会 〜Father and Daughter〜
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天蓋付きベッドの上に横たわる女性が照れくさそうに告げる。ベッド全体が天蓋より降りるレースに覆われているため女性の顔はハッキリと見えないが、声からして“テスタメント”の指導者であるハーデで間違いなかった。

「御気になさらず。まぁいきなりの呼び出しで何事かとは思いましたが」

ルシリオンは片膝をついた体勢で、レースの奥に居る彼にとってのマスター、ハーデへと恭しくそう返した。少し黙ったハーデが小さく「心配かけてごめんなさい」とバツが悪そうに謝った。するとルシリオンは「謝罪は無用ですよマスター」と微笑を浮かべながら返した。

「・・・あなたの顔も見られたし気力全快です♪ さて、これからはお仕事の話。あなた達が私のお願いに忠実に応えてくれましたので、目を付けていたエルジアの工業廠を手中に納めることが出来ました、ありがとうございます」

「それに関して1つ謝罪することがあります。申し訳ありません。トパーシオが鎮圧作戦へ参加、最大戦力を使用してしまいました」

ルシリオンの報告を受けたハーデが絶句する。ハーデは、トパーシオに戦ってほしくはなかったのだ。

「トパーシオは・・・“お姉ちゃん”は大丈夫なの!?」

大人の女性であるハーデが、十代前半くらいの少女であるトパーシオを姉と呼んだ。ハーデが焦りの含まれた叫び声を上げると同時に、ベッドの上で勢いよく立ち上がる。しかしすぐさま「ぅく」苦悶の声を漏らし、柔らかいベッドへと倒れ込んだ。

「マスター!」

ルシリオンがベッドへ駆け寄ろうとしたが、ハーデは「大丈夫ですから!」と大声で上げてそれを拒んだ。沈黙が流れ気まずい雰囲気になった。しかしルシリオンがハーデの心配を晴らそうと口を開く。

「トパーシオは問題ありません、マスター。存在も瓦解してしまうほどまで弱まってはいませんので御安心を。ですが、しばらくの休眠は必要となりますが」

「そ、そうですか・・・良かった。お姉ちゃ――トパーシオは私の原動力ですから」

トパーシオが無事だと知って安心したのかハーデが「ふぅ」と一息ついて、うつ伏せのままだった体勢を仰向けに直す。

「いかなる理由とはいえ、トパーシオの作戦参加を止められなかったのは事実。マスター、いかなる処分でも受けるつもりです」

再び片膝を付く最大の礼の体勢に戻ったルシリオンがそう言うが、ハーデはその原因が自分にあることを知っているため、「処分なんてないですよ」と告げた。

「私があなたに“トパーシオの命令も聞け”という命令したことが、そもそもの原因だって判っています。だからあなたを責めませんよ。えっと、もし次があれば、トパーシオの戦闘参加だけは許可しないでほしいです」

「了解しました」

ハーデは「お願いしますね」と告げ、再び“テスタメント”関連
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