暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep13テスタメント考察〜Interval 1〜
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ュート――

ティアナの震えた両手が持つ“クロスミラージュ”から放たれる魔力弾。それをきっちり撃ち落としていく、ティアナの兄・アグワマリナことティーダの魔力弾。拮抗しているかのように見える戦況だがそうではない。やはりティアナも動揺を隠せずにいた。その所為で次第に狙いが雑になっていく。

「・・・っ!」

両親を早くに亡くしたティアナにとってティーダは唯一の肉親で、射撃魔法の師で、大好きで憧れで、彼の遺志を継いで管理局入りを決意したくらいの大事な人。“ランスターの弾丸”はすべてを撃ち抜く。それを証明するために頑張ってきて、そして今では認められて執務官となった。だというのに・・・。

「僕は、ティアナには管理局員になってほしくなかった」

ティーダはティアナの想いを否定する言葉を放つ。ティアナの心が揺れる。激しく揺れる。目を見開き、“クロスミラージュ”を持つ手がさらに震える。

「僕は、ティアナには普通の女の子として生きてほしかった。こんな危ない仕事に就かせたくはなかった。でも、もうそれも遅い。だから・・・」

――クロスファイア・オーバードライブ――

ティーダの周囲に50はある黄色のスフィアが展開される。

「今回の事件で僕を乗り越えられないなら、そこで局員としての道を閉ざすんだ、ティアナ」

「っ! お兄ちゃん!」

「シュート」

一斉に放たれる魔力弾。1つのスフィアから2つの魔力弾だ。計100発の魔力弾がティアナ1人に目がけて飛んでくる。ティアナはもう1度「お兄ちゃん!」と叫び、防御も回避も取らずにただ目を強く瞑った。
直後、ティアナへと迫っていた100発の魔力弾が一斉に自爆した。巻き起こる爆煙。その中からドサリとティアナが倒れた音がした。直撃とは言わずとも100発の魔力弾の一斉自爆。それによる衝撃波と爆音がティアナの意識を刈り取っていた。

「ティアナ・・・。強くなって、僕たちを止めてみせてくれ。それくらいの気概が無ければ、僕たちを止めることなんて出来ないから。でも・・・僕たちは止まらない、捕まらない。それは絶対に、だ」

横たわるティアナを悲しそうに見つめ、ティーダは左手で自らの顔面を覆った。

・―・―・―・―・―・

「ダメです! アウグストの命中を確認できません!!」

オペレーターが叫ぶ。先程から“スキーズブラズニル4番艦”へと“ヴォルフラム”の艦載砲アウグストを放ってはいるが、なかなか障壁を抜くことが出来ないでいた。はやては悔しげに顔を歪める。なのはとフェイトがトパーシオを足止めしてくれているのに、それに応えることが出来ない、と。

「司令!」

別モニターを見ていたリインフォースUが叫ぶ。その尋常ではないリインの呼びかけに、はやては嫌な予感を抱き、すぐさま彼女
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