暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep12戦天凍らすは涙こぼす天使〜Ghost of Princess〜
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係なくこういう実戦の場合は先攻しないと負けるぞ? 来たれ、黒鎧の毒精フォヴニス・・・!」

横たわっていたラギオンが黄緑色の召喚魔法陣の中に消え、グラナードの後方に別の召喚魔法陣が展開される。かなり巨大な魔法陣だ。直径は50mと少しはあるだろう。その魔法陣の発光量が次第に強まっていき、エリオとキャロは堪らず視界を閉ざす。

「「っ!?」」

次に2人が目を開けてその視界に入れたモノは、ラギオン以上に強烈な異形をしていた。まず全体が黒。その全長が約45m弱ほどある。鏡の様な巨躯に炎が映り、オレンジ色に染まっていた。その姿を見て、人はまずそれが何かこう答えるはずだ。

「さ・・・サソリ・・・!?」

エリオが震えた声で新たに現れた存在を見てそう慄いた。サソリ。正しくその通りの姿。ハサミがあり、毒針のある尾もちゃんとある。しかし全体的に余すところ無く鎧を纏ったようなその姿。関節や鎧の隙間から翠色の光が漏れている。サソリという生物よりはサソリ型の鎧を纏った光といった方がしっくりくる。

「こいつの名は黒鎧の毒精フォヴニス。オレのもうひとつの相棒だ」

グラナードの姿が靄のように掻き消え、一瞬でフォヴニスの頭部の上へと移動。しかも新品同様に修復された白コートを纏っていた。もちろんキャロのバインドもすでに無かった。

「予想外に楽しませてもらった礼だ。しっかりと受け取れ!!」

グラナードは天を仰ぎ、両腕を仰々しく広げ叫んだ。それを合図として、フォヴニスが血に飢えた獣のような咆哮を上げる。エリオとキャロは、その頭部を覆い隠す鎧の隙間から光る翠色の眼に身が竦み、死の恐怖に囚われた。
フォヴニスの両のハサミが開き、中央部から翠色の光が漏れ始める。砲撃。エリオは直感的にそう判断し、死の恐怖に震えたその身体を、キャロを護るという想いだけで動かす。

「キャロぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」

――穿たれし風雅なる双爪――

・―・―・―・―・―・

「シールド出力最大! 一撃でももらったらアカンよッ!」

はやてが艦長席のひじ掛けにしがみ付きながら指示を飛ばす。先程から“ヴォルフラム”は、S+〜SSS、時にはそれ以上の測定不能ランクと大きく変動する魔力攻撃を受け続けていた。
普通の魔力ならその程度では揺るがない艦載シールド。しかし幹部たちにはある秘密があった。その秘密によって“ヴォルフラム”が撃沈の危機に陥っていた。そう、神秘と呼ばれる超常的な“力”によって。

『航行不能、最悪撃沈されたくなければ退いてください』

ブリッジの中央モニターに映るのは白コートの少女トパーシオ。彼女の背後に浮遊する女性メノリアの両手の平が再び光を集めていく。

「っ! また攻撃来るよ! スターズ1とライトニング1は!?」

「ダメで
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