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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep12戦天凍らすは涙こぼす天使〜Ghost of Princess〜
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視線を移す。“ヴォルフラム”の主砲を受けながらも、それでも撃沈することなく停泊しているその姿に、彼女は満足そうに頷いた。
・―・―・―・―・―・
「特務六課です。止まりなさい」
シャマルが若干怯えながら、カルド・イスキエルドへと告げる。
「風の癒し手シャマルと蒼き狼ザフィーラ・・・!」
3隊を率いて“4番艦”へと帰艦する最中、復讐者とその復讐対象が出遭った。イスキエルドは手にしている大剣を構えたが、「くそっ!」と悪態をついて大剣を下ろした。
「お前たちは先に行け。もうそこまでスキーズブラズニルが来ているはずだ」
シャマルとザフィーラの前に立ち塞がり、3隊を先に帰艦するように促す。グラナード隊の2が指揮を受け継ぎ、3隊はイスキエルドを置いて先へと向かった。
「・・・それで? 俺の前に出て来るなんて正気か? これでも俺は、お前たち2人を相手にしても勝てるだけの力を持っていると自負している」
イスキエルドの言葉は事実だった。補助と防御に長けるが、その反面攻撃面が弱いシャマルとザフィーラではイスキエルドに決定打すら与えることは出来ない。
「あなたは、私たちが殺めた方の遺族なんですか?」
「それを聞いてどうする? まさか謝りに行くのか?」
フルフェイスの兜の中から聞こえる苛立ちの含まれた声に、シャマルは足が竦みそうになったが負けじと話しを続けようとする。
「あの、私たちは――」
「やめろ。そんなことで許されると思うのか。お前たちが許される時は、俺たちカルド隊によって裁かれたときだけだ」
「シャマル!」
「待ってザフィーラ! ・・・いいの」
イスキエルドは大剣をシャマルへと突きつける。自分の胸に触れる大剣の堅く鋭く、そして何より冷たい感触に、シャマルは今までにない死の恐怖を感じた。いや、違う。死などではない。感じている恐怖は、自身の死ではなく愛しき家族との永遠の別れだ。
「お前たちが手に掛けた者たちの顔と名を憶えているか?」
「「・・・」」
2人は答えられない。
「そうだよな。所詮は闇の書のページを埋めるためだけの贄としか見ていないのだから」
「違う! 違います! 私たちは! 私たちは・・・!」
シャマルが嗚咽も漏らしながらも必死に否定する。イスキエルドは空いている左手で、フルフェイスの兜を脱ぐ。現れた顔はまだ青年と言えるほどに若かった。赤色がかった茶色の短髪に黒色の瞳をした青年。兜から手を離し、地面へと落ちた瞬間に兜は闇色の炎となって消滅した。
「・・・ジータ・アルテッツァ、ガウェイン・クルーガー、ジョシュア・エルグランド」
「え?」
いきなり名前が並べられ、シャマルの心は疑問に満ちた。イスキエルドは、シャマルに突
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