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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 A
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叫びは、しかし誰にも聞き入れられることはなかった。

「そうです、最新の魔王様!貴方の花嫁・ウィラ=ザ=イグニファトゥスは今まさに、王子様が駆けつけてくれるのを待っているのですッ!」

ズドオオオオオオオン!!!
と、そんな馬鹿っぽい爆発音とともにスイッチがONになるマクスウェルを、湖札は冷めた目で見る。
ああ、コイツ・・・どんな女性でも生理的に無理だ、と。

「あの・・・そこの初めてお会いするお嬢さん」
「!?・・・な、なんでしょう?」

湖札は、キモイ人二号に声をかけられて、鳥肌をたてながら応答する。

「その、だな・・・君なら、自分のピンチに助けに来てくれた殿方に対し、そのような感情は抱くのか?」
「え、あ、そうですね・・・」

湖札はその丁寧な口調に驚きつつ、同時にそれでも収まることのない鳥肌から、コイツも、どんな女性でも生理的に無理だ、と直感する。

そして、それを抑える意味合いでも、回答をするためにも少し妄想。

自分が超特大のピンチのときに、颯爽と駆けつけて自分を助けてくれる兄の姿。
そのまま感情に任せて抱きついて、唇と唇が・・・

「ホワァ〜・・・」
「あの・・・」
「あ、そ、そうですね・・・」

湖札はどうにか現実に戻ってきて、返答をする。

「とりあえず・・・普通の女性であれば・・・思い人がいなければ、そう言う感情を持つのではないかと」

少し、間があいて・・・

「マー君・・・」
「オーちゃん・・・」

二人がアイコンタクトを取り、同時に一つ頷いてから、

「う、おお・・・ウィ、ウィラアアアアアアア!!!今行くぞオオオオオオォォォォ!!!」
「う、おお・・・ヒ、ヒメエエエエエエエエ!!!今度こそ、放さないぞオオオオオオォォォォ!!!」

マクスウェルは熱風と冷風を撒き散らして去っていき、
もう一人のキモイ人は、再び翼を広げて、飛び去っていった。
二人ともが、一陣の恋の風となって出陣していった。

「・・・・・・・・・」

“魔王連盟”一同は、一連の出来事を遥か彼方の宇宙のように生温い瞳で見守る。
そんな空気がそろそろ耐えかねなくなってきたころ・・・リンがコホンと咳払いをして、

「さてさて。私と湖札さんのファインプレーで邪魔者・・・いえ、超キモイコンビは去りました。」
「そうだな。」
「そうね。」
『うむ。』
「何気にひでェなお前ら。」
「私としては、被害者が倍になったことがすごく心配になったんだけど・・・」

一人、恋する乙女がその人に思い人がいたときのことを考え・・・かなり、同情していた。

そんな中でリンはジンに歩み寄り、膝を折って顔を近づける。

「ジン君。本題に移ろう。さっきの話の続きを、今度は全員でね」

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