暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep9テスタメント対策部隊『特務六課』〜The 6th Extra Force〜
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スター失格や。こんなん・・・」

はやては歯がみし、痛む両手を強く握りしめる。ショックの所為で呆然自失になってしまった自分の代わりに、リインフォースとユニゾンしたルシリオンからの攻撃を全て防いだリイン。決して軽くはないルシリオンの攻撃を受けきったその無茶の反動でリインは意識不明に陥っていた。

「はやてちゃん・・・」

「主、そろそろお休みになってください。御身体に障ります」

シャマルは何て言っていいのか判らず、はやての名を口にするしかなかった。そしてザフィーラははやての身体を気遣ってそう提言するのだが、はやては首を横に振るのみ。

「ヴィータの様子も見たいしな。それに考えたいこちもあるんや。今日はもう眠れそうにもあらへん。そやから私は・・・」

そう言ってはやては、シャマルとザフィーラの脇を通り過ぎて病室を後にする。シャマルとザフィーラもはやてに続いてシグナムの病室を後にした。3人が向かうのは、シグナムと同様に眠り続けるヴィータの病室だった。会話は無く、はやて達3人は静かにヴィータの病室へと入っていった。

「ヴィータ・・・」

ベッドの上で眠るヴィータ。はやてはベッドの近くへと歩み寄り、椅子に腰かける。家族のシグナムとヴィータ、友人のセレスを撃墜した“テスタメント”幹部。
はやては“ヴォルフラム”の医務室で治療を受けている時に、腹部に負った火傷の治療を終えたフェイトからの連絡で3人の撃墜を知った。そしてもう1つ。3人を撃墜したカルド隊の目的が守護騎士への復讐だということも知った。

「今回の事件は、八神家(わたしら)にとって辛いものになるな」

はやてがヴィータの前髪を手で梳きながらそう呟いた。後ろに控えるシャマルとザフィーラは何も言わずにただ頷いた。シャマルとザフィーラにもはやてからすでに伝えられている。初代リインフォースが“テスタメント”幹部の1人として生きていることを。

「脅威対策室はテスタメントに何らかの対策を立てるやろ。たぶん私ら元機動六課のメンバーが招集されるはずや」

“テスタメント”幹部に対抗できる戦力はそれしかないとはやては考えている。5年前に“聖王のゆりかご”を墜とした奇跡の部隊と謳われた“機動六課”。管理局上層部はおそらく“機動六課”を再編しようとするだろうと。

「必ずリインフォースとルシル君を連れ戻す」

はやては音を立てないようにゆっくりと立ち上がり、いつ部隊編成命令が来てもいいように動き出す。
翌日、はやての元に脅威対策室からある辞令が来た。内容ははやての予想通りのものだった。反時空管理局組織“テスタメント”対策部隊・“特務六課”の指揮官への任命。構成部隊員には、やはり元“機動六課”メンバーだった隊員の名が連ねられていた。

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