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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep6青き空は怨嗟の業火に燃えて 〜Avenger's Judgement〜
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纏ったカルド隊だった。
フルフェイスの兜の頭頂部からは真紅の長い羽根飾り、全身を覆う甲冑、籠手と脚甲には闇色の炎が纏わりついている。手にするのは禍々しい形をした大剣。その刀身にも闇色の炎が纏わりついている。中央に立つカルドにのみ紫色のマントがあった。

「アギト、ユニゾンだ!」

「お、おう!! ユニゾンイン!」

シグナムはグラナードとラギオン以上の危うさをカルド隊――いや闇色の業火より感じ、アギトとユニゾンを行う。シグナムの髪と瞳の色が変わり、背からは二対の炎の羽が生まれる。フェイトとヴィータも最大警戒しつつ各々のデバイスを構え直す。

「優先目標はヴォルケンリッターの烈火の将シグナムだ」

「「了解」」

カルド隊が一斉にシグナムに襲撃をかける。もちろんそんなに簡単にいくわけもなく、カルド・デレチョはヴィータに妨害され、カルド・イスキエルドはフェイトに妨害された。
カルドのみがシグナムへとたどり着く。睨み合いは一瞬だ。殺気の塊とも言えるカルドの振り下ろされた大剣と、様子見のシグナムの振り上げられた“レヴァンティン”が衝突し、そのまま鍔迫り合う。

「おのれ・・・大人しく業火に焼かれ死ね、シグナム・・・!」

「ならば理由を教えろ! 我ら守護騎士に何の恨みがある・・・!」

拮抗する鍔迫り合い。互いに一歩も引かず、ただ問答を交わす。

「貴様らを怨む者は掃いて捨てるほどいる。忘れたとは言わせないぞ、シグナム。貴様らは今までどれだけの者たちを殺めてきた? 闇の書としての貴様らによって、どれだけの命が奪われた? どれだけの家族が泣いた? 怨んだ? 憎んだ?」

兜の中からくぐもった男の声。落ち着いているようにも聞こえるカルドの声だが、その声に含まれるのは全てを呪う怨嗟だった。

「っ! それは・・・っぐ!」

『シグナム!!』

昔の罪科を問われ、シグナムは無意識に力を緩めてしまった。そこでさらに力を強めるカルドに、シグナムは次第に押され始める。

「俺たちカルド隊も、貴様ら闇の書によってその人生を狂わされた! それが貴様らを怨む理由だ! 殺したい動機だ!? なぜ貴様らが幸せに過ごしているのに、俺たちは幸せじゃない!? 何故だ!? 貴様らにそんな資格はあるのか!? ふざけるな! 他人を大勢不幸にしておいて、貴様らは幸福の座にいる! 許せるものか!」

――業火に焼かれその罪を償え――

シグナムは歴戦の経験と直感からすぐさまカルドから離れる。その直後、大剣に纏わりついていた闇色の炎が爆発を起こした。シグナムは爆発によって起きた強烈な衝撃波と熱波に気を失いそうになりながらも何とか持ちこたえる。

「アギト!」

『おうよ! 猛れ、炎熱! 烈火刃!』

「レヴァンティン!」

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