暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep6青き空は怨嗟の業火に燃えて 〜Avenger's Judgement〜
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こなかった。

「テメェッ!」

「悔しいか? 憎いか? 俺たちも貴様らヴォルケンリッターに抱く負の感情だ。その身を持って知れたこと、それも1つの罰と思え」

デレチョはヴィータを殺害するために空を翔る。ヴィータは修復し終えていない“グラーフアイゼン”を見る。ヴィータは己の情けなさに歯がみした。唇の端が切れ、血が滴り落ちる。

「裁きの時だ、紅の鉄騎ヴィータ」

――我に滾るは怨嗟の業火――

――パンツァーヒンダネス――

ヴィータを覆う多面体の完全防御障壁。デレチョの振り下ろした大剣が一層目の障壁と衝突。砕けない。堅かった。だがそれで諦めるつもりもなかった。

「この程度で・・・俺の復讐の業火を止められると思うなぁぁぁぁッ!」

粉砕。そのままヴィータへと大剣を横薙ぎに振るう。

――パンツァーシルト――

ヴィータは全ての魔力を防御に回す。死の恐怖がヴィータを襲う。敵は復讐に燃える異形の鬼。目の前に迫る闇色の炎を見て泣きそうになる。死ぬかもしれない。はやてを、リインフォースUを、なのはを、友を悲しませるかもしれない。

(これが・・・闇の書(あたしら)に返る罰か・・・)

デレチョの大剣は、ヴィータが最後の力を振り絞って張ってシールドを容易く粉砕する。起こる爆発。ヴィータは爆風によって、シグナムとアギトと同様に廃ビルへと沈んでいった。

・―・―・―・―・―・

撃墜されたシグナムとヴィータ、そしてセレスを見、フェイトの顔が青くなる。

「シグナム! ヴィータ! セレス!」

「2人がヴォルケンリッターにトドメを刺すまで、もう少し俺と遊んでもらおう」

「と・・・どめ・・・?」

フェイトはイスキエルドへと振り返った。闇色の炎が燻っている大剣を右肩に担ぎ、つまらなさそうにしている彼へと。フェイトの中で何かが切れる。プツン、と切れてはいけない大事な一糸が。

「〜〜〜〜〜っ! バルディ――」

しかしその時、「これはどういう事か説明してもらおうか、カルド隊」この区画一帯に響く男の声。フェイトの中で全てが冷めていく。この声は間違いなく彼女が求めている男のものだった。

「ルシルッ!!」

フェイトの視線の先、彼女たちの居る高度よりさらに高いところに、12枚の剣翼アルピエルを背負った誠実なる賢者サフィーロ――ルシリオンは居た。

誠実なる賢者(サフィーロ)・・・これは、その・・違うんです・・・!」

イスキエルドが明らかに怯えを含んだ声色で告げた。心なしか身体も震えているのが判る。彼はルシリオンに絶大な恐怖を抱いていた。

「邪魔をするなッ、サフィーロ!」

「そうだ! もう少しで俺たちの復讐が果たせるんだ!」

「・・・1・・・」


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