妖精達に日常あれ!
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んの好きな人です!」
「・・・は?」
『!』
これにはギルドにいた全員が反応した。
何故ならば、ただ興味があるから。
友達のジュビアや弟のクロス、兄のクロノを除いては全てを他人とするティアにも恋する相手がいるのか!?と。
「何でその話になったのかしら」
「ジュビア、気になってました。ティアさんは美人で何でも出来ていい奥さんになりそうなのに、恋人がいないなんておかしいです!」
「・・・そう?」
「そうです!ジュビアはティアさん以上に魅力的な人を見た事ないです!」
力説するジュビアにティアも少したじろぐ。
「で、どうなんですか?」
「・・・」
ティアは沈黙し、小さく頬を掻いた。
視線を落とし、目線を逸らすティアの頬は、気のせいか淡い朱に染まっている。
「ねぇねぇアルカっ、ティアにも好きな人いるのかな?」
「いるなら応援しねーとな。アイツ、不器用だし」
ひそひそとティアと『他人だが仲のいい』2人は話し合う。
そして、ティアはゆっくりと口を開いた。
「・・・クロスとか」
『・・・え?』
出てきたのは、間違いなく双子の弟の名前。
弟の名の登場に、全員の声が揃った。
が、ティアはさらに続ける。
「兄さんはバカだけど、まぁいいわ。勿論ジュビアも好きだし、ヴィーテルシアは相棒だし・・・」
「え、えーっと・・・ティアさん?」
「ん?」
不思議そうな表情で、ティアは首を傾げる。
が、ジュビアからしたら首を傾げたいのはこっちだ。
「ジュビア、ティアさんの好きな人を聞いてるんですけど・・・」
「ええ、だから言ってるでしょ」
「へ?」
「私が好きなのはクロスに兄さんにジュビアにヴィーテルシアだって・・・改めて言うと恥ずかしいモノね」
照れたように頬を染め、目線を逸らす。
そこで全員は気づいた。
『ティア・・・“好き”の意味を間違えてる・・・!』と。
ジュビア達が聞きたいのは“恋”の方の“好き”。
なのだが、ティアはそれを間違えて捉えてしまっていた。
先ほど頬に朱が差したのは、この為だったらしい。
「あ、あのですね・・・ジュビアが聞いてるのは恋愛の方で・・・」
「恋愛?」
「はい」
こくりとジュビアが頷く。
ティアは全く考えず、すぐに答えた。
「何言ってるのよジュビア。そっちの意味の好きな奴なんていないわ」
「そうなんですか?」
「当然よ。私の周りにいるのは、基本的に私の嫌いな人種だし」
バッサリと言い捨て、ティアはアップルパイを一口。
そんな彼女は知らない。
(・・・俺も嫌いな人種、なのだろうか)
―――――まさか、ライアーが落ち込んでいるとは
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