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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep7澄み渡りし海上に白蒼の羽根は舞う〜Segen Ritter〜
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それに若干引きながら少しずつ後ずさっていく。そこに助け船を出すのはノーチェブエナと同じ、ミッドチルダ南部担当のルシリオン。彼女を庇うかのように前に出、グラナードへと告げる。

「待て。今回の任務はあくまでレジスタンスの回収だ。局員と戦いに行くわけではない。そこを間違えるなよ、グラナード」

「へいへい、解かってるよ。お前の怒りを買って消されるのは勘弁だしな。あ〜あ。いいさ、いいさ。もういいさ。もう変われなんて言わねぇよ」

グラナードは背を丸くして2人から離れていく。彼は“テスタメント”幹部に対しての任務評価権限を持つルシリオンの有する粛清攻撃を恐れ、大人しく引き下がったのだ。愚痴を零しながら自分に任せられた世界での“レジスタンス”回収へ向かうために転移しようとした。しかし何かを思い出したかのように立ち止まる。

「そうそう。カルド隊の動向には気を付けておいて損はねぇよ。あいつら、絶対暴走するだろうからさ。ヴォルケンリッターが出てきたら、な」

振り返ってから最後にそう忠告した。そしてその姿を消す。自らの任務地へと向かったのだ。

「すまなかった、ルシリオン」

「ああ。・・・だがノーチェブエナ。私はサフィーロだ。ルシリオンではない。どうして君はいつも私の名前を間違える? 昨日は間違えずに呼んでくれたが。人の名前を間違えるそれはかなり失礼なことだぞ」

ルシリオンは、ノーチェブエナの感謝と謝罪が含まれた言葉には答えたが、ルシリオンという言葉には異を唱えた。

「あ、ああ、すまない。そうだったなサフィーロ」

「これからは気を付けてくれ」

ルシリオンもまた任務のために“フリングホルニ”を後にしようとする。甲板を少し歩き、付いて来ないノーチェブエナへと振り向く。

「どうした? 行くぞ」

「ああ。(本当に全てを忘れてしまっているのだな、ルシリオン)」

ノーチェブエナはそれに短く応え、ルシリオンの元へと駆け寄った。そうして2人はミッドチルダへと向かった。その2人を見送った他の幹部たちもまた、任務先へと向かおうとする。
そんな中、トントンと軽い足音を立てて艦内から甲板へと出てきたのは、外見では最年少ととれるトパーシオだ。

「いってらっしゃい。早く帰ってきてね」

すでにミッドチルダへと向かったカルド隊、艦内の自室で無限書庫から奪った3冊の本を読み耽るディアマンテ、日常へと戻っているハーデを除く幹部たちをぐるりと見てから、小さく可愛らしい声で送りだす言葉を告げた。

「〜〜〜〜っ!」

アマティスタは声にならない声を上げてトパーシオへと突撃、そしてギュッと抱きしめた。

「く、苦しいよ、アマティスタ」

「すぐに帰ってくるから。それまで待っててちょうだいね、トパーシオ」


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