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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep8反時空管理局組織テスタメント〜Omnipotent Traitor〜
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の要求を口にしていなかった。

「レヴィに訊いてみよう。レヴィならルシルパパの事を知ってるはずだよ」

ヴィヴィオの希望ある言葉に、この場にいる全員が頷いた。フェイトはベッドの上で静かに「ルシル」と呟き、何かしら決意した瞳で左小指にはめられた指環を見、右手でそっと撫でた。

?―?―?―?―?―?

――同日/PM16:20/辺境無人世界
反時空管理局組織テスタメント旗艦“フリングホルニ”艦長室――


「ふぅ、こんなところだろうか」

時空管理局主要施設への通信を切ったディアマンテは一息つく。立ち上がり、“赤い本”を自らの指導者である至高なる卓絶者ハーデへと渡す。

「おいおい、オレらは管理局に下るつもりはねえよ?」

陽気なる勝者グラナードはおどけた風にディアマンテにそう告げる。ディアマンテはそれに「当然だ」と前置きし続ける。そして自らの座へと戻り、ドサッと勢いよく腰かけた。

「ここに集う我々の大半は、管理局の歪んだ正義の名の下にその人生を狂わされたのだ。歪みの元凶である現体制の管理局に従順するなど、生き地獄の何物でもない。それ以前に我々が管理局に負ける通りは無い。一つの隊を動かすのに何十分と掛ける連中だ。こちらが事を終えた頃にようやく姿を現すだけだ」

怒りと憎しみを含ませながら、怨敵時空管理局の名を口にするディアマンテ。
それに頷き賛同する者も少なくない。彼ら“テスタメント”の幹部である白コート集団には管理局に恨みを持つ者が多かった。今回、時空管理局に持ちかけた一方的な勝負も復讐――ともう一つの目的への一歩に過ぎない。

「ですがどうするんです? 数では向こうの方が圧倒的だ」

「話を聞いていなかったのか、聡明なる勇者(アグアマリナ)。向こうは数はあってもそれの使い処がメチャクチャだ。全く成っていない。元管理局員であるなら解るはずだろう?」

堅固なる抵抗者(マルフィール)の言う通りだ。無駄に拡大した組織ほど脆いものは無い。我々に割く人員も僅かだろうな。幾人かの精鋭を送り込んでくるだろうが、こちらには現代において最強である戦力がいる。それだけで向こうの連中は為す術が無くなるだろう」

若い男性の声のする聡明なる勇者アグアマリナの疑問に答えるのは、堅固なる抵抗者マルフィールとディアマンテ。三人は黙したまま、艦長席の窓から差し込む夕日を眺めていた誠実なる賢者サフィーロへと視線を移す。彼らの言う、最強の戦力を唯一従わせられることのできる彼に。

「俺ら報復せし復讐者(カルド)隊は、忌わしきヴォルケンリッターを殺せればそれでいい。だからお前らは俺らの邪魔を絶対にするなよ、いいな? 特に祝福なる祈願者(ノーチェブエナ)――お前が一番の問題だ。当然お前にも怨みはある。だがボスからの仲
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