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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep5非情なる再会 〜First encounter 3〜
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。フェイトが異性として好きになったただひとりの男。その男と同じ魔力光が目撃された。
「そ、それは・・・それはルシルのじゃない。ルシルなわけがない。だってルシルはもういない。だから偶然だよ、シャーリー。魔力光が同じ人はたくさんいる。今回だってきっと・・・違う人だよ・・・」
震えた声で否定するフェイト。彼女は今までにも蒼色の魔力光を何度も見てきた。だからフェイトは今回も別人だと思うことにした。
「テスタメント・・・。世界の意思“界律”の命のままに戦い続ける存在。ルシルさんとシャルさんもそうなんですよね・・・」
シャリオが静かに呟く。元機動六課の――特にルシリオンとシャルロッテと親しい人――には知らされていた。2人の正体である“界律の守護神テスタメント”と呼ばれる存在について。
「・・・うん、もう会えないんだ・・・」
シャリオはやっぱり黙っていればよかったと後悔した。フェイトはそれほどまでに沈んでいたのだ。手持無沙汰になったシャリオは、フェイトにコーヒーを用意しようとしたとき・・・
『本局内に侵入者! 服装から主要世界における同時テロ実行犯の仲間であると思われる! 侵入経路は不明! 現在、無限書庫に向かって進行中! 本局内に待機中の武装隊、及び執務官は、白のコートを纏った侵入者を発見次第投降を促し、受け入れられない場合は交戦し、これを確保せよ!――』
緊急放送を聞いたフェイトの表情が変わる。無限書庫。今そこには、彼女の親友であるなのはの娘、ヴィヴィオとその友達がいるからだ。
「フェイトさん!」
「うん!」
フェイトは勢いよくオフィスから出、騒然としている本局内を全力で駆ける。シャリオはそれを心配そうに見送ることしかできなかった。
・―・―・―・―・―・
「止まれ!!」
バリアジャケットを纏った武装隊数人がストレージデバイスを侵入犯へと向ける。対する侵入者は、陽気なる勝者グラナードや堅固なる抵抗者マルフィール隊と同じ純白のコートを纏った男女の2人組だ。
「止まらなければ撃つ!!」
【
誠実なる賢者
(
サフィーロ
)
、先を急ぎたい】
【ならば下がっていろ、
祝福なる祈願者
(
ノーチェブエナ
)
】
祝福なる祈願者ノーチェブエナが、隣に立つ鎖の男・誠実なる賢者サフィーロへ言外に目の前にいる邪魔者をどうにかしろ、と頼む。サフィーロはそれに何の文句を言わず、ただ静かに右拳に魔力を纏わせ始めた。その色は遥かなる蒼――サファイアブルーだった。
「仕方がない。撃てぇぇぇぇッ!!」
一斉に射撃・砲撃を放つ武装隊員。ノーチェブエナを庇うようにサフィーロは前に躍り出、彼は右拳を床に殴りつけた。魔力が爆ぜ、「うわああああ!」数人の武装隊員が発生した魔力流に吹き飛ばされた。
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