第二十七話 怪談と都市伝説
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「あったねー。るいこって神代君に気があるんじゃないのぉ?」
こちらに意識を向けていた事には気付いていたので、俺達とは別でおしゃべりをしていた三人に話を振ってみると、三人とも頷いてアケミさんが佐天さんをからかいはじめる。
「な……な……そんなんじゃなーいっ!!」
佐天さんの声が教室中に響き渡るが、教室内のほぼ全員に俺達の話が聞こえていたようで、誰も気にするようなことはなかった。そして、佐天さんはしばらくの間、アケミさんを筆頭とした三人にからかわれ続けていたのである。
「元を正せば佐天さんがハーレムとか言ったからじゃないですか」
「それを言うなら神代君が来ようとしなかったからでしょ」
学校を出てファミレスに向かっている途中、初春さんが佐天さんに注意すると佐天さんはその矛先を俺に向けてきた。
「いや、逆にそういうのを言われるから俺は行きたくなかったんだけどね」
「それならそうと言ってくださいよ」
俺が答えると佐天さんからなぜか責めるような口調で言い返される。
「今までも遠まわしに言ってきたんだけどなぁ」
「遠まわし過ぎたんですよ」
何か釈然としないままつぶやくと、今度は初春さんに諭されてしまった。
ファミレスに到着すると、すでに御坂さんと白井さんは来ているようで、ケータイで連絡を貰っていた初春さんに案内されてその席に向かう。
「御坂さん、白井さん、連れてきましたよー」
御坂さんたちの姿が確認できたところで佐天さんが声をかける。
「あ、初春さんに佐天さん……アンタ、もしかして神代さん?」
「こっちの姿では初めまして。神代騎龍です」
初春さん達に挨拶している途中で俺に気付いて御坂さんが尋ねてきたので、俺は普通に初対面っぽい挨拶を返す。
「男になるとこんな感じなんだ……」
「本当に殿方なんですのね……」
「ま……まぁ、そうだけど……」
御坂さんと白井さんにじろじろと見られて俺は少したじろぐ。
「どうなってるのか本当に不思議だわ」
「うん、それは俺もそう思う」
しばらく俺を観察した後、席に戻ってつぶやいた御坂さんに対して、俺自身もどうなっているのかが全然把握できていないので賛同する。
「しかし、良く普通に遊んでいられますわね。性別が変えられるなんて能力……いえ、能力ではありませんでしたわね。まー、能力でないにしても性別が変えられるなんて特殊な事例を、研究者達が放っておくなどとはとても思えませんの」
今度は白井さんから疑問を投げかけられるが、これに関しては研究所で聞いたことをそのまま話せばいいだけである。
「あー、それに関してはなんか大丈夫みたい。システムスキャンに行っ
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