暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
5th Episode:
シアワセの在処
Ep1プロローグ〜Next story〜
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“オムニシエンス”

遺跡内を歩く人影が1つ。大きなリュックサックを背負い、服装は上着やズボンなどにポケットがいくつも備え付けられた物。一般人は一般人でも、その見た目はトレジャーハンターそのものだった。
現在“オムニシエンス”は、管理局と、この世界の調査を依頼したとある財閥の許可がなくては入ることが許されていない。だが、歩く人影は許可を取ることなく“オムニシエンス”へと来ていた。方法は不明。監視の抜け穴を通ってきたのだろう。無法者と呼ばれてしまうトレジャーハンターならではの方法に違いない。

「これはすごい・・・!」

都合の良い事に現在、“オムニシエンス”は無人。それゆえにトレジャーハンターの中でももっともアウトロー寄りとして指名手配されている男、シャレードは悠々と歩いていた。真剣な表情で様々な建造物を眺めては写真を撮っていく。そして多くの書物が発見されたあの書庫へとたどり着いた。どこも壊さないようにゆっくりと入り、1冊も残されていない書庫の中を行く。

「ここが依頼主の言っていた書庫・・・か・・・」

1冊も本が残されていないことから、残念そうに呟きながらも奥へ奥へと進んでいく。そのとき、ガラッと何かが崩れる異音をシャレードは耳にした。彼は「今は無人のはずだぞ」と呟き、緊張感から嫌な汗を流す。ゴクリと生唾を飲み込み、彼は音を立てずに異音のした場所へと歩を進めた。

「・・・これは・・・隠し通路か?」

彼が目にしたのは広間の壁に空いた穴。覗き込むとさらに先がある。薄暗く冷たい風が奥から吹いている。先程の異音は、この隠し通路を覆っていた壁が崩れ落ちた音だろうと判断した。

「この先には何が・・・?」

彼は僅かな恐怖が心の底に生まれるのを感じたが、それ以上に好奇心が彼を支配した。壁伝いに歩き、ある細長い一室へとたどり着いた。そこは祭殿とでも呼べるような場所。祭壇へと続く道の両側に並び立つ燭台には火が灯っている。

「この火は一体いつから・・・?」

彼は疑問を口にしつつ、祭壇へと近づいていく。祭壇の上にナニかあるのを視界に入れる。トラップが無いかを慎重に確認し、そっとソレを手にする。

「なんて綺麗な本なんだ・・・!」

祭壇の上に安置されていた1冊の本。それは全体的に赤い本。タイトルはどこにも記されてはいないようだ。管理局の調査団が発見した何百冊もの本とは違い、どこも風化しておらず綺麗な姿を保っていた。
その赤い本の縁には金の装飾が施され、その金の装飾は幾何学模様となって背表紙に伸びている。表紙には青銀で出来ている何らかの紋章が象られたレリーフが施されていた。そしてこの本を厳重に封印するかのように幾重にも鎖が巻かれている。

「美しい・・・美しい・・・なんて・・・美しいんだ・・・」

彼はう
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