第八章
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「そんな人だったからな」
「死ぬこともですね」
「当然ですね」
「それで死んだんですね」
「あの人達は」
「怖いよ、下手したらあの公園もな」
岳田が作らせたあの公園もだというのだ。
「祟りが残るからな」
「早いうちに何とかしないとですね」
「大変なことになりかねませんね」
「すぐに神主さんと話そう」
こうしてだった、社長はすぐに神主と話した、そのうえで公園に鳥居や狐の像を置き霊木もその木から本堂等を作った。そしてだった。
知事選があらためて行われ今度はまともな人物が知事になった、その頃にはネット上で岳田や市民団体の実態もわかった。
公園はそのままだった、しかし稲荷は戻った。それで神主はその公園において昼休みで参拝に来た社長にこう話すのだった。
「全く、神仏を敬えとは言いませんが」
「粗末にすることはですね」
「ましてや懸命に働いている人達への嫌がらせに使うのは」
「とてもですね」
「あってはならないことです」
公園で遊ぶ家族達を見ながらの言葉だった。
「おそらく知事さん達は祟りを受けたのでしょう」
「やはりそうですか」
「私はそう思います」
こう話すのだった。
「あの人達がどんな目に遭ったのかは知りませんが」
「そうですね」
「祟りは受けました」
このことは間違いないというのだ。
「それで、です」
「皆死んだんですね」
「そうなったのでしょう」
「そうですか、祟りは本当にあるんですね」
「あります」
神主としての言葉だ、仕事柄そのことをよくわかっているというのだ。
「あの人達はそれが為に破滅しました」
「神仏は愚弄してはなりませんね」
「ましてや悪いことの為にそうするなぞ」
とてもだというのだ。
「あってはなりません」
「そうですね、それが為にですね」
「あの人達は死にました」
「このことを心の命じておきます」
強い声で言う社長だった、今公園の中は母親と共に小さい子供達が遊んでいる。その子供達を稲荷の像が見守っている。とても優しい顔で。
稲荷の祟り 完
2014・1・22
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