第五章
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「あの人はあまりにも左寄りで」
「あの公園にしても」
「自衛隊への嫌がらせですよね」
「それを見ますと」
「どうにも」
「はい、おかしいです」
実にだと言う神主だった。
「とても」
「はい、だからですね」
「お祓いにも来ないですね」
「そういう人ですね」
「全く」
「勿論公園で騒いでいる人達もです」
自衛隊に抗議している『市民』達もだというのだ。
「来ません」
「やっぱりそうですか」
「お祓いに来ませんか」
「俺達みたいには」
「そうしないですね」
「はい、どうなるか」
神主は眉を曇らせて業者達に話した。
「正直怖いです」
「ですね、これから何が起こるか」
「心配ですね」
業者達も応える、とりあえずお祓いをして謝罪に布施と揚げを多く出した彼等や県庁の面々といったほ殆どの関係者には何も起こらなかった。だが。
活動家達は違っていた、彼等は抗議活動の後で知事が紹介したホテルに泊まって飲みながらこんなことを話していた、彼等と知事は癒着しているのだ。
「今日の抗議も力が入ったらな」
「ああ、本当にな」
「そうだな」
「いい流れだよ」
「このままいったらな」
それでだというのだ。
「自衛隊にも影響が出るかもな」
「今は右傾化しているからな」
彼等の主張の常が出た、極端な左にいると何でも右に見えるというが彼等こそそうした極端な左である。
「それも止めてな」
「革命だ」
「ああ、それに持って行かないとな」
「市民の為に」
こうしたことを飲みながら言って意気を上げていた。その彼等がいる部屋に。
チャイムが鳴った。一人がそれに応じて扉を開いた。
次の日だ、岳田は秘書から彼等の話を聞いていた、その話はというと。
「何、全員か」
「はい、部屋にいた全員がです」
二人は料亭の個室にいる、仕事の後でそこで馳走を食べ二人で楽しみながら話しているのだ。尚岳田はマスコミからは『庶民派』と呼ばれている。
「死んでいたとか」
「全員か、どうしてだ」
「急性アルコール中毒ではと」
秘書は岳田にこう述べた。
「鑑定は言っています」
「飲み過ぎか」
「皆かなり飲みますからね」
秘書も知っている者達だ、この秘書にしても学者出身だが左の人間だ。
「だからでしょうか」
「そうなのか」
「それでどの人もです」
秘書は岳田にさらに言う。
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