第二章
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「神社は移転か縮小だよ」
「その面積をですか」
「市民の為の公園にするんだ」
その神社の場所をだ、岳田はここでも市民というかマスコミ受けする政策を出したのだ。
「そうするからね」
「だからだと」
「そう、移転かね」
若しくはその免責の縮小だというのだ。
「ではいいね」
「議会は」
県議会での議決を待つべきだとだ、神主は食い下がった。だがその議会も民酒党が主流だった。岳田の当選と共の選挙でマスコミが大規模なアピールをした結果だった。
その結果議会も岳田のものとなっていた、それでだった。
神社は移転こそ免れたがその敷地の七割が公園となった、マスコミはこのことを一切報道しなかった。例によって。
公園の工事はすぐに開始された、神社の場所が容赦なく壊されていく。鳥居も石の階段もだ。
その中でだ、岳田のところに秘書が報告してきた。秘書はこう彼に言う。
「稲荷の石像等はどうしますか」
「ああ、公園を作る場所にあるものはね」
「全てですね」
「壊してしまえばいいよ」
「霊木もですね」
「全部だよ」
何もかもをだとだ。岳田は知事の席から秘書に告げる。
「壊してしまっていいよ」
「そうですか、それでは業者に伝えます」
「そうしてくれていいよ」
「ですが業者の方は」
彼等はどう言っているのかをだ、秘書は岳田に話した。
「躊躇していますが」
「神聖なものを壊すからだね」
「はい、ですからどうかと言っていますが」
「ナンセンスだね」
岳田は秘書のこの報告に馬鹿にしている口調で返した。
「全く以て」
「意味がありませんか」
「いつも言っているじゃないか。神も仏もね」
「いませんね」
「そう、そんなものはいないんだよ」
ここでも無神論を言うのだった。
「だからね」
「業者にもですね」
「無視していいと。伝えてくれるね」
「わかりました。それでは」
「まあ責任はね」
実際は無責任でも定評があるが安請け合いで言った。
「僕が持つから」
「だからですね」
「業者にはお金を裏から渡してでも」
「作業を急がせますね」
「あの公園が作られれば」
それでだとだ、岳田はここで真の目的を話した。
「あそこで自衛隊への抗議活動が出来るね」
「公園からですね」
「そう、だからね」
まさにその為にだというのだ、自衛隊への嫌がらせの為に。
「あそこに作るよ」
「一刻も早く」
「そう、急ぐんだよ」
こう言ってだ、工事を急がせた。岳田は神社を壊し稲荷の像も社も鳥居も壊させた。霊木も切り倒してしまった。
そのうえでそこに公園を作った、だが公園が完成した瞬間にだった。
すぐにだ、その公園に何かが出るという噂が出て来た。そして。
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