第一部 vs.まもの!
第10話 なにすんのよお!
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
派手だ。ノエルは刷毛で目に詰まった塵を除き、ディアスはじっと文面に目を走らせている。
石碑の前には石のレバーが設置されており、左手側に倒されている。
ウェルドは何となくそれを右に倒した。
ヴン、と音を立て床から魔物たちが現れた。
「!?」
鎧を着こんだ二足歩行するトカゲだ。槍を携えており、一般的な人間より遥かに背が高い。そんなのが五、六体いる。
「何やってんのよおおおおおっ!」
ノエルが悲鳴混じりの声で叫んだ。トカゲ人間は槍を構えて突っこんでくる。やけに防御が固く、攻撃的な魔物だった。火と氷と大剣の一閃が狭い部屋を乱舞し、全ての魔物が倒れた後、息を切らす三人が残った。
「いや、悪ぃ、こんな事になるとは」
よほどびっくりしたのか、上目遣いの涙目で睨みつけてくるノエルの責任追及から逃れようと、ウェルドは意味もなく笑みを浮かべながら石碑をポンと叩いた。
「いやぁー、でも良かったじゃねえか! クムラン先生が言ってた石碑見つける事が出来てさ――」
すると、石碑がパチンと消えた。
消えた。
笑顔のまま固まる。
ウェルドが手を置いていた場所には、石碑の土台以外、何もない。
ノエルが息を吸い、叫んだ。
「何すんのよおおおおおおおおおおおおおおぉっ!!」
「……えっ、えっ?? 俺なの? 俺のせいなのか!? 今の!!」
「もういい、貴様は先ほどの魔像とでも戦っていろ」
「はぁっ? もうやっつけたよバーーカ!」
ノエルは蹲り、頭を抱えている。何かぼそぼそ言っているので耳を澄ませてみれば、
「あ、あたし、あたしどうしよう――こんな事――あたし先生にどう言えば――」
泣き始めてしまったので、ウェルドはかける言葉がない。
「仕方ない。地上に戻るぞ」
代わりにディアスが言った。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ