第十四話 真実
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「では、“お稲荷さま”は何故、現代に蘇ろうとしているのでしょうか?」
疑問が次から次へと沸いてくる。
「うむ、お主の母が言うにはただ“現代で遊びたいから”だそうだ。」
そんな、理由で・・・。
本当なのだろうか、分からない。
「体を明け渡す一定の年齢とは何歳なのですか?」
「あぁ、それはの一定の年齢とは言ったが、実は“憑見の儀式”というものを行い、“お稲荷さま”が直接決めるそうだ。所謂、心のうちで“お稲荷さま”と会い、そこで何かしらの儀式があって、体を明け渡すか、それとももう少し後にするか決めるらしいの。」
「そんなことが・・・」
もう、自分の頭の中はごちゃごちゃになりかけていた。
色んな事柄が回っている。
火影様はゆっくりと席を立ち、窓に近寄っていく。
「そのように力の代償を払い、体を何世代にも渡って明け渡し続け、“お稲荷さま”が現代に現れ続けた。それ故に“お稲荷さま”は永遠の命を得ているように見え、不死身と解釈されるようになった。不死身・・・それが時代とともになまっていき、ふしみと呼ばれるようになったのだ、お主の一族は。」
「今、生きておるふしみ一族はおぬしだけじゃ。恐らく、その力が使えるということは、お稲荷さまとの契約は絶えておらず、お主が“憑代様”に選ばれておると考えてよいじゃろう。」
僕が・・・“憑代様”?
それは、将来的には“お稲荷さま”に代償を払わなくてはいけない、ということか。
「そう遠くないうちに、お稲荷さまと会うことになるはずじゃ。」
僕の心はメチャクチャだ。
今までの自分、生きてきた自分、色んなものが音を立てて崩れていく。今そこにあったものは形がなく、もうもうと土煙をあげている。何も見えない、何も聞こえない。そんな風景が僕の今の心だ。
「あともうひとつ、“お主の両親が何故、狙われたのか”を話して置かねばならん。一つは外敵からだが、ふしみ一族の能力はその特殊な能力故、知るものは少ないし、木の葉も隠してきた。しかし、その能力を知れば、それを欲するのは道理であろう。」
確かに・・・レーダーのような役割を持つ能力、攻撃には向かないが後方支援としては十分に役に立つ。
「そして、内の敵じゃが・・」
!?
内の敵?どういう意味だ。
仲間の内に敵がいるということか・・
「ふしみ一族は元々、里では重要機密での、知るものはほとんどいなかった。それにも関わらず、岩隠れにその情報が漏れた。もはや、何者かが漏らしたとしか考えられん。故に気を付けねばならん。イナリ。」
「何故、情報が漏れたのか分かっているのですか?」
「うむ、ある程度予測はしておるが、確証はまだなくての。お主には伝える訳にはいかん。イナリ、周りの人間には気を付けるのじ
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