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戦争を知る世代
第十四話 真実
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うじゃ。つまり、広範囲かつ、高性能な感知能力ということかの。」
火影様は顎に手を当てて、僕をじっと見据えている。

「感知能力ですか・・・確かに頭のなかで敵意を赤色で感じる、あれがふしみ一族の能力だったのか。」
ん?でも、1つ違う部分があることに気がついた。

「火影様、あの炎はハナやカタナを爆発の衝撃から守ってくれました。あれはどういうことなのでしょうか?」

「うむ、それも報告は聞いたが・・・分からぬ。わしが知っておるのは感知能力に関してだけじゃ。その守ると言うことに関しては初耳であった。」

感知能力とは別のもの・・・?
分からない、これもふしみ一族の能力なのだろうか。

「まぁ、その能力についてはおいおい調べていくしかないの。」

「はい・・・」
僕は仕方なし気に答えた。


「では、話を戻すと、ふしみ一族はその感知能力を使い、敵から逃れて生き延びたのじゃ。攻撃的な力ではなかったからの。その力以外は、ふしみ一族は特殊な力を持たぬ集団であった。」

・・・そうだろう。うちは一族は特殊な瞳力を扱い、圧倒的な力を持つ。森の千住一族は、木遁という血継限界を持っている。彼らはどれも攻撃的な能力で、それを使い栄華を誇ってきた。ふしみ一族はその逆に攻撃的ではなく、補助的な能力を手に入れ、それで難を逃れて生き延びたということか。

「しかし、ここからが重要じゃ。よく聞け、イナリ。」
火影様の声が急に鋭くなる。

「次の話はその“代償”についてでの、ふしみ一族はその能力を得た代わりに、“お稲荷さま”にその体を差し出さねばならんのだ。」

「・・・体を、差し出す?」
どういう意味だ。腕一本とかを渡さなきゃいけない、とか?

「“お稲荷さま”は信仰の対象であり、所謂、神様というやつで、その実体を持たぬ。故に“お稲荷さま”は現代でその実体を得るために、ふしみ一族はある一定の年齢になると己自信の体を明け渡すのだそうだ。」

!?
それは・・・つまり、自分が自分で無くなるということなのか?しかし、お母さまは・・・?

「ただ、その体を明け渡す者は、その当代の一人でよいらしい。ふしみ一族全員がそうなるのではなく、その世代で一人選ばれる。それを“憑代様”と呼ぶのだが、その憑代様は他のふしみ一族よりも強く“お稲荷さま”の力を使うことが出来る。その代わり、ある年齢になると体を明け渡なげればいけない。」


・・・そんな。
それがその力の“代償”・・・

「その“憑代様”以外のふしみ一族は、何を代償として払うのですか?」

「それが、お主の母が言うには、何も無いそうじゃ。つまり、ふしみ一族として生き残る為に一人の体を犠牲に、一族全ての者が力を得る。1が10の犠牲となって守ってきたというこであろう。」

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