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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十三話 残る者たち
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と逆の方向に振る。
 振り子による勢いと腕の力でプレシアを投げると同時に布と鎖を霧散させる。

「っ!」

 足場に倒れるように着地するプレシア。
 その光景に安堵のため息を吐きつつ、身体に絡む鎖を順々に消していき、俺自身もプレシアのそばに降り立つ。

 一息つけると思ったらさらに振動が大きくなる。
 まずい!

「クロノ君、士郎君、急いで!! 天井が崩れるよ!!」

 エイミィさんの悲鳴のような声と共に映像が現れる。

 急ぎたいのだが、病魔に侵されたプレシアはもはや走る事も出来ない。
 プレシアを俺が抱きかかえればいいのだが、俺自身の身体の修復がまだである。
 それに確認しないといけない事がある。

「クロノ! 先に行け!」
「だがっ!」
「俺のスピードなら追いつける! 行けっ!」

 俺の言葉に歯噛みするクロノ。
 だがそれもわずかな時間。

「信じてるからなっ!」

 貸していたオハンを俺に投げ返し、アリシアの入ったポットにバインドだったか、拘束魔法を使って抱きかかえ飛んでいくクロノ。
 クロノの投げたオハンを左手で掴み取り、ジュエルシードを睨む。

 どうやらクロノには俺の身体の骨が折れたのは気がつかれなかったようだ。
 その事に一安心しながら、自分の右手を確認するように握る。

 問題ない。十全ではないがほぼ修復している。
 あと一分もあれば肉体は完全に修復できる。

「エイミィさん、リンディ提督に繋いでくれ」
「そんな場合じゃないよ!! もう」
「頼む。確認しなければならない事がある」
「もうっ!」

 頭を抱えるエイミィさんがため息をつき、ものすごい勢いでパネルを操作するのが映像越しでもわかる。

「士郎君? どうしたの、早く脱出を」
「確認します。このままジュエルシードを放置すればどうなりますか?」

 俺の問いかけにリンディさんの表情が固まる。
 それだけで答えがわかった。

「このままジュエルシードを放置すれば俺達の世界が消える。
 間違いないですね」
「……ええ、そのとおりよ」

 申し訳なさそうに言葉を紡ぐリンディさん。
 嫌な予感ほどあたるというがその通りだな。

 輝きを増し、魔力をどんどん増していくジュエルシードを見つめる。

「まったくケリをつけるとはいえやり過ぎだな。
 悪いが少々付き合ってもらう事になるぞ、プレシア」
「それは否定しないし付き合うのは構わないわ。けど本気?」
「ああ、アレを止める」

 これが完全に解き放たれれば地球は消える。
 そうなれば幾多の命が失われる。
 勿論その中にはなのはの帰りを待つ高町家の方々やすずかやアリサ達もいるのだ。
 それを目の前にして逃げるなんて選択
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