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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十三話 残る者たち
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僕達に向かってエイミィが叫ぶ。
フェイトやプレシア達もあまりの異質さに呆然としていたらしい。
エイミィの声で動き出す僕達。
その時、魔力を感じ再び見上げる。
天井に空いた穴。
そこから何かを削るような音と共に赤いナニカが飛び出してきた。
飛び出してきたのはなのはを抱えた士郎。
なのはと士郎が向かったのは駆動炉。
つまり導き出される答えは。
「……駆動炉から最下層まで道を作ったのか?」
そのあまりの答えに頭が痛くなってきた僕だった。
side 士郎
カラドボルグより遅れ、駆動炉からのトンネルから飛び出る。
俺がやった事は結構単純で魔力放出と重力の恩恵を受け、最高速でトンネルを駆け抜け、トンネルの終点が見えると同時に無銘の魔剣を突き立て、ブレーキにして降りてきたのだ。
トンネルを抜けると同時に周囲に視線を向け、状況を把握する。
全員確認。今のところはまだ無事のようだ。
だが隆起した所に残されたフェイトと亀裂が広がる大地に残されたプレシアとアリシア。
しかもプレシアの足場が崩れるのにももう猶予がないのも明白。
迷いも躊躇いもなく判断を下す。
「フェイトを!」
「うん」
なのはを離すと、なのははすぐさま減速しながらフェイトに向かう。
たった一言だけで俺の思いは通じたようだ。
「フェイトちゃん! 飛んで!! こっちに!!」
なのはの言葉にフェイトがプレシアに視線を向ける。
そんなフェイトにプレシアはただ一つ頷いただけだった。
フェイトとプレシアのそんなやり取りを、プレシアのフェイトに対する視線が先ほどまでとは違い穏やかなのを見て確信した。
フェイトの思いは届いたのだ。
それに従うように、何かに縋るようになのはに手を伸ばすフェイト。
フェイトの手はなのはにしっかりと握りしめられる。
その光景を満足そうに見つめるプレシア。
そして足場は崩壊し、ゆっくりと虚数空間の中にプレシアとアリシアが落ちていく。
ようやく届いたフェイトの思い。
それが失われようとしている。
それを黙って見届ける?
それこそまさかだ。
なのはとフェイトのために剣を執ると決めた。
プレシアがここでいなくなればフェイトが苦しむのなんて考えなくてもわかる。
ならばそのままプレシアとアリシアが虚数空間に落ちるのを見ているはずがない。
「あっさりと諦めるな!!」
鎖と布が踊り、布がプレシアの腕とアリシアのポットに巻きつき、その上から鎖がさらに絡みつく。
その先は俺の右手に握られる。
そして、俺自身の身体を支えるのは辺りにある瓦礫と俺の身体に絡む幾多の鎖。
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