第四章
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「失敗する可能性も高い」
「何故失敗するんだ」
「ブルジョワ共には力がある、ガードマンも置くし当局も奴等に協力する」
それでだというのだ。
「俺達への妨害をしてくる」
「それで失敗するのか」
「捕まっては元も子もないしな」
こうも言う丘留だった。
「だからだ、奪うよりはだ」
「売れというのか」
「俺達の革命理念を主張する雑誌を売ってな」
丘留は本多に言う。
「そうしないか」
「いいんじゃないのか、それは」
「なあ、そうだな」
ここでだ、何人かがだった。丘留の話を聞いて言うのだった。
「俺達の理念を教えられる」
「そうだな、じゃあな」
「同志丘留の意見に賛成だ」
彼等は口々に言うのだった。
「よし、それじゃあな」
「雑誌を発行しよう」
「それで革命資金を手に入れよう」
「それと共に俺達の革命理論を出そう」
「そうしような」
こう話してだ、そのうえで。
本多にもだ、こう言うのだった。
「委員長、ここはだ」
「同志丘留の考えがいいと思う」
「雑誌を発行しよう」
「それで収入を受けよう」
こうしてだった、丘留達は本多に雑誌の発行を提案した。本多はここでまずは何もしなかった、だが会議の後で。
彼は竹紙と佐田鹿にだ、こう言うのだった。
「丘留の考えは駄目だな」
「ああ、出版社も企業だ」
「企業はな」
それは何かとだ、二人も本多に返す。
「資本家だ」
「資本家の厄介になってはならない」
「資本主義に染まることだ」
「それは断じて出来ない」
「丘留はそれがわかっていない」
「金と宣伝だけを見ている」
それに過ぎないというのだ、そして本多にしてもだった。
彼もだ、こう言うのだった。
「だからだ、丘留と同調者達は反動主義者だからだ」
「反動主義に染まっているな」
「帝国主義に」
「容赦してはならない」
「ではどうする」
「丘留達はどうする」
「あいつ等は追放だ」
そうするというのだ。
「この委員会からな」
「追放か」
「そうするか」
「ああ、そうする」
そしてだというのだ。
「わかったな」
「ああ、ではな」
「今度の会議でそれを発表しよう」
こうしてだった、本多達は彼等だけで丘留達の追放を決めた。そして次の会議でこのことを電撃的に発表したのだった。
それでだ、追放を言われた丘留達はというと。まずは唖然となった。
そしてその後でだ、こう本多達執行部に言うのだった。
「何故だ、何故俺達が追放される」
「そうだ、それは何故だ」
「俺達は革命の同志じゃないのか」
「それで何故追放される」
「その理由を言うんだ、委員長」
「それはどうしてだ」
「それはだ」
本多は彼等の反論と抵抗を予想していた、それでだった。
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