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コミューン
第二章
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「しかも同じだけの能力を持つな」
「そしてその俺達でか」
「プロレタリアと民衆を導いてだ」
 上から目線に気付かないままだ、本多は竹紙に言っていく。熱い声で。
「革命を成功させるぞ」
「じゃあ今から同志探しだな」
「そうしよう、コミューンだ」
 普仏戦争の最後の方にパリに生まれたこの言葉が出た、まるで予定調和の様に。
「それを作るぞ」
「あのコミューンだな」
「東京コミューンだ」
 パリではなく、というのだ。
「俺達は東京コミューンを作るんだ」
「この街にか」
「そして東京からだな」
「革命を起こしてな」
「日本を正しくしていくんだな」
「民衆の国にするんだ」
 彼等の思う国にするというのだ。
「こんな偽りの民主主義を否定してな」
「今は民主主義じゃないな、日本は」
「ああ、絶対に違う」
 では何かというと。
「米帝の傀儡だ」
「それだな」
「そして当局はだ」
 公安だの何だのはというのだ。
「我々への弾圧を日々強めている」
「それに対するには一人じゃ無理だな」
「だからだ、烏合の衆ではなくだ」
「確かな同志を手に入れていってか」
「革命を成し遂げるんだ」
 彼等の目的をというのだ。
「では今からな」
「よし、同志達を探してな」
「声をかけていこう」
 まずは二人だった、本多は竹紙と共に革命の同志を探しはじめた。三人目は同じ大学にいる佐田鹿誠だった。
 辛辣な批評で知られる彼に馴染みの者である竹紙が声をかけた、すると佐田鹿はこう竹紙にいったのだった。
「俺もだ」
「貴様も?」
「今のままでは革命は無理だと思っている」
「そう思っているのか」
「そうだ、確かな者達が中心にならないとな」
 本多と同じ様に言うのだった、本人はそのことを知らないが。
「駄目だ、だが」
「だが、か」
「まずは本多に会いたい」
 その彼にだというのだ。
「そのうえで参加を決めたい」
「わかった、それならな」
 竹紙は佐田鹿のその言葉に頷いた、そしてだった。
 彼を本多に紹介した、本多と佐田鹿は学園の中にある彼等が強引に自分達の場所にしている空いている部室で会った、そして。
 佐田鹿はそこで本多の話を聞いてだ、こう言うのだった。
「御前の考えはわかった」
「そうか」
「他の連中では革命は出来ない」
「何もわかっていないからな」
 彼等から見ればだ、他のセクションはそう見えた。本多はこのことを確信して佐田鹿に強く答えたのである。
「絶対にな」
「そうだ、革命は成し得ない」
「その通りだ」
「しかし貴様の考えならだ」
「確かな志と理論を持った者が集まりな」
「その彼等が集まり進めていく革命ならな」
 どうなるのか、佐田鹿はその鋭い目で本多そして竹紙を見据えつつ言う。
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