第十一話 幼児期J
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を仇で返したよ』
「いやいや、お前も同僚さんに対してひどいこと言ってるよ。俺は新規のお客さんを紹介しただけだから」
実に言葉は言い様である。
さて、俺たちはこんな風によく上映会や『ヒュードラ』の設計状況などを報告し合っている。事故の日取りがわからないため、少しでも情報を集め、予想を立てる必要があるからだ。もし万が一でも失敗だけは許されないからな。
そして、大よそだがそのおかげである程度の見立てはたてることはできた。完成予定はおそらく来年ぐらいになる。これはまず間違いない。スケジュールや開発の様子を見ても、それぐらいには出来上がるように組まれていた。
大型魔力駆動炉の開発計画が始動したのは、俺が3歳ぐらいの時。完成は俺が6歳ごろになる。たった3年で完成を指示する上層部の身勝手さと、開発チームの優秀さがよくわかるな。俺としては、あんな悪環境でミスを起こさない方がおかしいと思うが、それでも正直母さんたちが事故の引き金を引いたとは考えづらい。
というのも、母さん達は本当に安全設計に気を付けているからだ。辛い身体に鞭を打ちながらも、仲間同士で必ず確認しながら作業を進めている。これだけ慎重な作業を見た時は、俺も事故なんて起こりうるのかと思ってしまうほどだった。
だから、おそらく引き金を引くのは上層部の連中だと考えている。今年はたぶん事故は起きないはずだと思う。まだ開発に必要な作業がたくさんある。危ないのは完成間近になった春、または夏だろう。そう思うのは、今までの情報収集と俺のなけなしの原作知識を照らし合わせたからだ。
リリカル物語の2次創作を読んでいた中で、アリシアの回想場面も作品ごとに何回かでていた。2次創作は空想のことで原作には載っていないことも書かれることもあるが、多くの人が同じセリフを書いている場合、それは原作のセリフである可能性が高い。
俺はまだアリシアのあのセリフを聞いていない。もちろん俺がいたことで変わった可能性はあるが、あのセリフはまだ時期ではないだけの可能性も高い。昔ちらっと見た動画の場面では、花であふれた場所にアリシアと母さんがいたのを見たことがある。俺には花畑の記憶はまだないのだ。
さらに母さんがミッドを追放されることだ。事故が起きれば、当然母さんも他の開発チームのみんなも駆動炉の開発につくことはない。つまり未完成になる。だが、上層部は駆動炉の権利を持っていたはずだ。
母さん達がいなくても開発を進め、完成させられるだけの下地がすでに出来上がっていたら、また新しく作れる。まだ必要な作業が残っている今年に事故が起きれば、駆動炉を完成させるなどあいつらには出来ないはず。
だからまだ時間があると俺は考え、コーラルとぶっちゃけ弱味にぎりに勤しんでいる。出来る限り
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