第十一話 幼児期J
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力も何も使ってないからな。魔力による力ではないため感知もされない。
堂々と結界に侵入・脱出ができ、しかも気付かれない。これに確信を持ったのは、我が家に張られている母さんの結界のおかげである。
母さんは家に結界を張っており、内容は侵入を禁止する遮断の力と、俺たちを護るための防護の力である。俺たちが扉から家を出たら結界にふれるため、母さんも俺たちが外出したと離れていても気付くのだ。
ところが転移で移動した場合は、まったく母さんに気付かれず、さらに当たり前のように家に帰れた。Sランク魔導師の張った侵入禁止の結界にだ。ゆえに俺たちが放浪する時は、必ず事前に母さんに伝えておくことが条件になっているぐらいに。
「リリカルの結界って実は穴があるよな。一度結界に侵入できてしまったら、侵入者に気付けない」
俺は小声で呟き、にやりと笑った。結界に触れる、近づけば気づかれても、中に入ってしまえば結界の力では気づかれることはない。これは母さんにも確認済み。第2期の原作でバーニングさんとすずかさんが結界に侵入してしまっていたのに、魔法が放たれるその時まで、なのはさん達は存在に気付けなかったはず。さらに仮面をかぶったロッテリアさんの時も、不意打ちされるまで周りは気付かなかった。
リリカルの結界魔法は、結界内の存在を感知する力はない。サーチャーで探されない限り、見つかることはないのだ。もし気づかれるようなら、コーラルが事前に教えてくれるしな。しめしめ。
「次はこいつにしようか。この企業、『ヒュードラ』の完成を急かしているし、やばくなったらいつもトカゲのしっぽ切りみたいなことをしてるみたいだ。社長の首根っことっ捕まえれば何もできないだろう」
『なるほど。しかし同僚さんの情報もすごいですね』
あぁ、うん。確かにすごかった。まさか上層部やそれに関連した人物だけでなく、視察に来る管理局員やアレクトロ社と関わりのある会社まで調べていたとは思わなかった。
たまたまこの前、家に来てお酒を母さんとかっくらっていた同僚さんが、視察の管理局員や他会社の人物に呪詛吐きまくっていたのを聞いたのだ。俺は飲み会が終わり、帰ろうとした同僚さんにさりげなく聞いてみたら、ビンゴだった。同僚さんはかなり知っていたのだ。
「……まぁその理由が、いい男探しのために、いろいろ調べてリスト作っていたのにはびっくりしたけど。『なんで上層部関連にはまともな人がいないのよォー!!』って資料叩きつけてたからもらったんだけど」
『よくもらえましたね』
「うん。ほら、ちょっと前に放浪して見つけた新しいお店あったじゃん。ピクニックで行った場所を紹介してくれた人。その店員さんがすごくイケメンで性格もよかったよ、って教えたらくれたんだ」
『この人、堂々と恩
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