第十一話 幼児期J
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た。信じてくれた。何も聞かないでくれた。
「……ほんと、ありがとう」
俺はその一文を画面越しにそっと指でなぞった。そういえばあの時もわがままを言ったっけな。わがままじゃないって言われたけど、あの時も2歳児の言葉を真剣に聞いてくれた。俺はあの時の光景を思い出しながら、相変わらず優し過ぎて心配になる人に感謝を向けた。
******
それでは、ようやくですが本日の重要会議。報告会の開始である。
『最低よ! このすけこましッ!!』
『ぶぅッ、ま、待ってくれッ! 私を捨てないでくれェ!!』
『ふん。本部の受付嬢しているあの女がいるでしょ!』
『彼女とはなんでもないんだ! 私の一番は君しかいない! だから私を捨てないでくれぇええぇぇ!!!』
「……すごい修羅場だな」
『はい。撮っている間も手に汗握っちゃいました。ないですけど』
報告会といっても、俺が転移でとばしたコーラルが隠密で撮ってきた映像の上映会でもあるけれど。
しかし、これは保存だな。この管理局のおっさん、前に母さんのことエロい眼で見てたしな。いやー、裏でこそこそするお偉いさんや悪い奴らって、スクープがいろいろあって助かるわ。
『しかし、ますたーの転移って絶対バグってますよね』
「機械にバグってるって言われた」
『だってそうじゃなければ、こんな映像は普通撮れませんよ。こういう方々は用心深い人が多いですから』
コーラルの言葉は事実でもあるため、俺も手で頭をかきながら、再び映像に視線を移す。事実だけど、バグと言われて肯定はしたくないし。無言で通した。
コーラルの言う用心とは、魔法の存在だ。あいつらだってばれたらまずいことは当然隠したい。今の映像だって、彼らの周りには結界魔法がはられ、一般人、魔導師でもそうそう中に入れない。結界に近づくものがあれば、術者に気付かれるし、触れれば当然弾かれる。
結界魔法は管理世界ではメジャーな魔法だ。敵の侵入を防ぎ、時には捕縛もできる。原作でもユーノさんやシャマルさんがよく使っていた。さらに術者が許可したもの以外には魔法による侵入も脱出もできないし、できても必ず魔力で気づかれるだろう。なのはさん、力ずくだったし。
魔導師なら見られたくない場面ができたらすぐに使われる。防音や見ることも遮断できるのだから。
「ま、俺には問題ないんだけどね」
転移魔法ではない、レアスキルの転移を持つ俺にはまったく意味のないものであったのだが。俺の持つ転移はまじで点と点を移動する。死神に『どんな時でも』ってお願いしてたから、『結界が張られている時でも』問題なく発動する。結界に触れたら気づかれても、触れてもいないから結界で感知される心配がない。それに俺の転移は、魔
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