第一章
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コタツの中の猫
宮崎さん一家はお家に猫を一杯買っています。その数は何と十匹を超えます。この前また増えて十二匹になりました。
その猫達を見てです、下の娘香菜ちゃん、小学五年生のこの娘はお母さんにこう言いました。
「うち最近猫屋敷って言われてるみたいよ」
「あら、そうなの」
キッチンでお料理を作りながらです、お母さんはあっさりと答えました。
「いいことね」
「そうよね、うちの家族皆猫大好きだし」
「猫はいい生きものよ」
お母さんはキャベツを切りながら言います。
「とてもね」
「そうよね、可愛いしね」
「猫を見ているだけで笑顔になるわよね」
「うん」
「猫は人の心をそうさせてくれるのよ」
だからいいというのです。
「お父さんもお母さんも大好きなのよ」
「私もお姉ちゃん達もね」
「だからね、幾らいてもね」
いいというのです。
「それで猫屋敷って言われるのなら結構なことじゃない」
「そうね、じゃあ今もね」
「可愛がってあげてね」
「そうするね」
お母さんに応えながらです、香菜ちゃんは丁度傍にいた白猫、シロを抱っこしました。するとシロは香菜ちゃんの手の中で目を細めさせてニャアと鳴きました。
お家の至るところに猫達がいます、お父さんは仕事から帰って来てテーブルの上に二匹、黒猫と三毛猫がいるのを見てお母さんに言いました。
「おい、テーブルの上でクロとミケが丸くなってるぞ」
「そうなの?」
「皆もう御飯は食べたよな」
「猫達にも御飯をあげたわ」
「そうか、じゃあいいさ」
何も問題はないというのです。
「後は僕だけか」
「冷蔵庫にサラダがあるわよ、あとお味噌汁もね」
「それとこれだな」
電子レンジの中にコロッケが何個かあるのを見つけました。
「コロッケか」
「そうよ、食べてね」
「うん、それじゃあな」
お父さんは自分で晩御飯の用意をしました、その前に着替えてから。
そうして食べますがその間もずっと二匹の猫はテーブルの上で丸くなったままです。ですがお父さんはその猫達をにこにことして見ているだけでした。
それは娘さん達もです、香菜ちゃんだけでなく高校一年の陽子ちゃんと中学二年の唯ちゃんもです。二人共自分達のお部屋に猫達が勝手に入って来てベッドや机の上にいてもです。
「あっ、ブチ来たの?」
「トラそこにいるのね」
怒るどころかです、笑顔で言うのでした。
「それじゃあそこにいてね」
「ゆっくりしていってね」
かえってこう言う位でした、ベッドや机の上にいても。
そして横で悪さをしてもです、怒ることはありません。
「全く、悪い子なんだから」
「仕方ないわね」
こんな調子です、家の誰も猫達を怒りません。爪とぎの柱やお
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