第四話:少年達の日常III
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「へー、じゃあ壁の外にはそんなに分厚い氷があるのか」
「うん、この本にはそう書いてあるよ。他にもとても長い川とか、壁の中にある山なんかとは比べものにならないほど高い山もあるんだって」
本を読みながらエレンに楽しそうに話しているこの少年は、『アルミン・アルレルト』は俺の幼馴染の中の一人でとても物知りな男の子だ。アルミンはよく俺たちの知らない豆知識を教えてくれたり、家から国の回収対象である、壁の外についての本を秘密で持ってきてくれて俺たちに見せてくれている。
「なあ、シルヴィオはどう思う?」
「ん?ごめん聞いてなかった。何の話だったっけ?」
「だから、この本人書いてあることは本当なのかなって話だよ」
「ああ、そのことか。俺は分からないな。壁の中にいる人が夢見た幻想なのかもしれないし、はたまた本当に自分の目でみた人が書いた冒険記のようなものなのかもしれないしな。」
とは言ってもやっぱり俺は本当だと思ってる。書かれていることも妄想にしてはやけにリアルに書かれているし、俺は実際にそんなに夢のような世界に触れてみたいと思っているからだ。
俺たち、五人の幼馴染で一緒に見てみたいと思ったことは少なくはない。
「ちぇっ…冷めてんなぁ〜。フローラどう思う?」
余計なお世話だ
「私?うん、本当だと思うよ!!」
「だよな!行ってみたいなあ、あの壁の向こうへ」
エレンは街を取り囲む壁に顔を向けてそう呟いた。
「壁の外……ね……。」
壁の外へはそう簡単に行けるものではない。壁の外には奴ら−巨人達がいるからだ。俺たちがこの壁の中で暮らしているのも、その巨人達のせいだ。
例外として「調査兵団」が巨人の、謎を解明するために壁の外に行っているだけで殆どの人類は壁の中で生活している。
俺は時々こう思う。
この壁が、俺たちを巨人達から守り続けて約100年、本当にこの壁は俺たちを守り続けることができるのだろうかと。
そして、この壁が壊される日がいつかくるのではないかと。
「よし、じゃあ鬼ごっこしようぜ!!範囲はこのシガンシナ区のこの用水路から右半分な!!終了は夕方まで最後まで鬼だった奴が明日のおやつを半分、全員に譲渡な!!」
「うん!シル兄は大丈夫?」
ーーだけど
「体も全然平気だよ。
……けど、ミカサはちょっとは手加減してくれよな?」
「後ろ向きに検討しておく」
それってしないと受け取っても良いんだよな。まあ、こっちだってタダで負けるわけには行かねーよ
「あはは!大丈夫みたいだね。それじゃ、エレ兄!!」
「おう!最初の鬼はジャンケ
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