第九章
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「かなりよくなっているよ」
「何度も戦争をしていた時よりも」
「ずっとですね」
「そう、中東戦争があったからね」
四度も行われてきた、イスラエルにとってもパレスチナにとってもいい思い出ではない。戦争の思い出は二人にとってはそういうものだ。
「その頃と比べたら」
「今はですね」
「ずっとよくなっていますね」
「そう、そうなる為にはね」
フロリースはさらに話す。
「多くの人が努力してきたからだよ、そしてこれからもね」
「努力をしていけば」
「必ずですね」
「平和になるよ」
今の様な状況ではなく、というのだ。
「さらにね」
「じゃあ私達も」
「努力をして」
「そう、必ずね」
努力をしていけばというのだ、お互いに。
「必ず平和を手に入れられるよ」
「今の様な状況を変えられる」
「そうなんですね」
「努力しないと何もならないけれど」
だが、だ。努力をすればというのだ。
「それが実るよ」
「オリーブの様に」
「そういうことですね」
「そう、オリーブはそういう意味でも平和の象徴なのかもね」
その濃厚なオリーブの味と匂いを味わい楽しみながら、フロリースはカテリーナとシャハラザードに話した。そして二人は彼との話の後で。
大学に戻ってだ、二人で笑顔で話をした。
「今の状況に憂いているより」
「何かをすることね」
「そうね、じゃあ私達も」
「平和の為にね」
何かをしようと決意した、そして。
その決意を具体的にどうするかをだ、二人は話していった。そのうえで二人はあることをはじめた。それはというと。
オリーブの木を植えはじめた、そのうえで言うのだった。
「イスラエルとパレスチナにオリーブの木を!」
「平和の象徴を植えましょう!」
「銃よりもオリーブを!」
「二つの国をオリーブで覆いましょう!」
こう主張して二つの国にオリーブの木を植えていった、だが最初は。
誰も見向きもしなかった、しかし次第に目に入ってきたオリーブの木に思いを向けて。
それでだ、少しずつ賛同者が増えていき。
やがて二つの国はオリーブで覆われた。平和の木で囲まれた両国の国民達は常にその平和の木を見ているとだった。
対立する心をなくしていった、そうして遂に両国は完全な平和を手に入れることが出来た。
平和になりオリーブに覆われているエルサレムを見てだ、すっかり年老いたカテリーナとシャハラザードは言うのだった。
「最初はどれだけ辛くてもね」
「ええ、はじめればね」
「変わるわね」
「全てはあの時からだったわね」
年老いても尚気品のある美しい顔でだ、シャハラザードは自分と同じく美しく老いたカテリーナに言うのだった。
「私達が会って。教授に教えて頂いて」
「ええ、あの時からね」
「はじ
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