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オリーブの祝福
第四章

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「ここにいたらね」
「ニューヨークだとよね」
「ええ、祖国にいる時のことは忘れるわ」
「そうね、対立がなくて」
「ニューヨークも色々とあるけれど」 
 この街は多くの問題を抱えている、決して綺麗なだけではない。地域によっては治安の悪い場所も存在している。
「それでもね」
「イスラエルではね」
「パレスチナでもよ」
 お互いの祖国も出す。
「どうしてもね」
「そうよね、お互いに憎み合ってね」
「私貴女のことは知らなかったわ」
 シャハラザードはカテローゼの横顔を見つつ言った。
「全くね」
「私もよ」
 それはカテローゼもだった。
「貴女とはこの街ではじめて会ったわ」
「そうよね、お互いにね」
「私貴女のことは嫌いではないわ」
「私もよ」
「私達はそうなのに」
 カテローゼは暗い顔になった、自分達の祖国のことを思い。
「イスラエルとパレスチナは」
「憎み合っているわね」
「国と国、国民と国民はね」
「パレスチナではイスラエルを憎む様に言われているわ」
「イスラエルでもよ」
 お互いにというのだ。
「イスラエル、ユダヤ教徒は敵だとね」
「パレスチナ、イスラム教徒は敵だと」
「言っているわ、いつも」
「何処でもね」
「けれどね」
 それでもだった、今二人がいるニューヨークでは、確かに両国のことは常にニュースを騒がしてはいても。
「ここではないわ」
「私達も普通にこうして一緒にいられて」
「ねえ、シャハラザード」
 ここでこうも言うカテローゼだった。
「私達はね」
「ええ、私達はね」
「いがみ合う国同士だけれど」
「お互いの祖国はね」
「けれど私達はね」
 自分達はというのだ。
「こうして一緒にいましょう」
「これからもね」
「そう、そうしましょう」
 こうシャハラザードに提案するのだった。
「それでどうかしら」
「ええ、私もね」
 同意する、そうだというのだ。
「そう思うわ」
「それならね」
「一緒にね、これからも」
「ええ、つまり」
 カテリーナが言う、このことは。
「私達は友達になるのよ」
「友達ね」
「そう、友達よ」
 こうシャハラザードに言うのだった。
「そうならない?」
「ええ、そうね」
 シャハラザードはカテリーナのその言葉に笑顔で頷いた、そのうえでカテリーナに言葉を返したのだった。
「私達はね」
「友達ね」
「そうなりましょう」
「ええ、じゃあこれからもね」
「アメリカにいる間は」
 イスラエルでもパレスチナでもないこの国にいる間はというのだ。
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