暁 〜小説投稿サイト〜
26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第七話 Memory
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思うと。
「ねぇ、教えてよアルス。 私は何で生きてるの? 兄も姉も失って、泥棒なんかして。
私は一体なんなの? もうこのゲームを続ける意味も、生きる意味もわからないよ……」
 振り向かず、そんな言葉を放った。
 そこで、俺は考える。
 回答を示すのは簡単だ。
 しかし、それが果たしてコイツのためになるのか?
 アニメや漫画やゲームみたいに、答えを言って、ハッピーエンドなんかになるのか?
 俺は別に、あの時のサニーやホイミみたいなのは望んでない。
 そこまで、俺はもう子供じゃねぇんだよ……
「俺に聞くなよ。 自分で考えて自分で決めろ。 俺だって俺の存在意義なんて知らねぇよ。
俺は死にたくないから生きてるんだよ、今は死なないためにゲームしてんだよ」
 俺はそれだけ言って、武器を仕舞い、玖渚の元へと歩く。
 すると、玖渚は振り返らないまま、少しだけ沈黙した後。
「……アルスは冷たいね。 私はやっぱりわからない……」
「じゃあわかるまで生きてろ。 とりあえず、お前が死んだら、ゲームをやめたら俺もギルドの面々も困るし悲しい。
大体この次の扉の先に敵がいたら、俺一人じゃ辛いぜ」
 そう言って、扉を指差す。
 そこには……。
『TREE―終局―』
 そう書かれていた。
 次で、最後ってことか……。
「……アルスって、頭悪いでしょ。 普通、こういう時は慰めてあげるものじゃないの?」
「俺が漫画かアニメの主人公ならそうするけどな。 生憎俺はただの会社員でな。 人の手伝いはするが、利己主義なんだよ。
まぁ、つっても、なんだ、ほら、お前の気持ちはわからねぇでもないし……。
なんていうの? あれだよ、言うってならば……頑張れ、くらいだな」
 柄でもねぇこと言ったなぁとか思いながら、玖渚から視線を逸らすと。
「つくづく、アルスって不器用だよね。 人の気持ちわかってないよ」
 そんなことを、サラっと言われた。
 ホント、コイツは痛いところついてくるな。
 まぁそれが原因で仕事で失敗したことも何度か……。
「でも、お陰で生きる目標は見つけたよ。 意味をわかるために、生きてみようと思った。
まだゲームも終わってないし、終わるまでは、ギルドを手伝わなきゃいけないしね」
 そう言って、玖渚は、顔を上げる。
 決意は出来た、みたいだな……!
「よし、じゃあ、玖渚、行く前に泣いておけよ! そうすりゃスッキリするぜ!」
 とりあえず考えられるだけのフォローとしてそう言ってはみるものの……。
「……アルスは本当に馬鹿だね。 もうそんな気分じゃないよ。 確かに悲しいけど、もう決めたから、いいよ、タイミング悪すぎ」
 玖渚に、がっかりした様子でそんなことを言われた。
 確かに……タイミングが悪かったみたいだな。
 どうも俺はこ
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