第七話 Memory
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巻き込んでしまう。
だから、己の命を諦め、玖渚に託したのだ。
もちろん、関係なしに玖渚が襲われる可能性もあった。
だが、それを回避させるため、真っ先に玖渚に転移結晶を持たせたのだ。
彼女の願いどおり、HeavensDoorは玖渚を追わなかった。
玖渚が幼すぎた、というのもあるが、何より――――。
宵闇の死を目の前にして、玖渚は、ただただ、無表情だったことが、あまりにも不気味に見えたからだ。
玖渚は目の前で起こった突拍子のないことへの脳の処理が追いつかなかった。
幼い脳は真実の理解を拒み、実感をゲームという非現実でもみ消した。
結果、玖渚は、姉は今までの役割を、自分に押し付けた、と勘違いしたのだ。
それから先は、玖渚は姉を受け継ぎ、泥棒となった。
モンスターにやられた兄のようにならないために、情報屋と太いパイプを持ち。
正体不明の敵にやられ、白状して死んでいった姉のようにならないために、レベルは攻略組同等上げた。
姉から引き継いだ豊富な資金は装備につぎ込み、自分を守るために、モメた時はデュエルでの勝敗を好んだ。
デュエルに勝つためにシステムを理解し、それにほぼ確実に勝てるように特殊なスキル構成と特殊武器、防具の使用を怠らなかった。
ただ生き残るため、姉の後を継ぐ為に……。
だが最近になってそれすら疑問になった。
それは、ギルド、ディラックの面々が、玖渚を狂わせた。
姉の後を継がなくても、豊かな生活や一定以上の金の見入りがある。
そうなると、玖渚は、己の存在意義がわからなくなる。
そんな時、クエストの情報を聞いた。
危険なクエスト、曰く付きのクエスト。
しかし、その情報の中には、死んだフレンドリスト、という気になる単語も含まれていた。
死者と会えるかもしれない。
そうなれば、己の存在意義を問えるかもしれない。
そう思って、玖渚は安全面を考慮し、ディラックの面々に協力を呼びかけ、アルスという大剣使いの協力を得ることに成功した。
攻略組にいただけあって実力的にも問題がない。
持っているグリュンヒルは今や低レベルなら露店や闇市で500k〜1M程度で出回ることがあるくらい珍しいものではないが、アルスほどレベルを上げているのは稀だ。
事実、玖渚も一本所有しているが、レベル10程度で、使えたものではない。
それを50まで引っ張り上げているアルスのグリュンヒルは、レア武器相応の攻撃力、スキルを誇っていた。
よって武器に関しても問題は無い。
そして、クエストの内容も、先ほどのONEの扉で内容を確認した。
玖渚にとって、そこまで、完全に計算づくされていたことだった。
しかし、この時点で、玖渚に一つ、大きなミスがあった。
玖渚は、サニーとホイミを知
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