暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第3部
芙蓉編
第53話 ジャンプは資源ごみだから無闇やたらに捨てるのは勿体無い!
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もあの生首を処分しなければならない。もしあれが町人なんかに見つかったら変な誤解を招く。下手したら獄中に入れられてしまうかも知れない。
 そんな脳内イメージを浮かべていた銀時がふと、生首のあった箇所を見た。さっきまで其処にあった生首が忽然と姿を消している。
 変わりにあったのは、定春の巨大な前足と、そして生首を咥えている定春の姿であった。

「さ、定春……お前それをどうするつもりだ?」
 
 銀時の目元が歪になっていく。口元もひくつきだし、嫌な予感がヒシヒシと頭の中を駆け巡っていく。そんな銀時達のことなどお構いなしに定春は外へと出ようとしていく。口に例の生首を咥えたままの状態で。

「待て待て待てぇぇぇ! 定春、お願いだからそれだけは止めてくれ! 頼む、その生首とビーフジャーキー交換してやるから頼むからその生首をこっちに寄越せぇ!」

 外へ出ようとする定春を必死に押さえつける銀時。が、超大型犬である定春相手に力押しで勝てる筈などなく、ズルズルと引っ張られていくだけであった。
 遂には入り口の扉をぶち破り外へと顔を出す定春。流石にこれには神楽も焦りを覚えて定春を止めに入った。
 まぁ、神楽の場合はただたんに卵割り機を返して欲しいだけなのだが。

「定春! それは私のネ! 良い子だから返すヨロシ!」
「だからこれは卵割り機じゃねぇってんだろうが! もう良いよ。明日から俺がお前の卵割り機になってやるからこれを処分させてくれ! 頼むよ、マジでさぁ!」

 必死に止めに入る銀時と神楽。しかし定春は止まる事を知らない。しかし流石に鬱陶しかったのだろうか。遂には咥えていた生首を放り捨ててしまった。上空へ向けて投げ捨てられた生首はそのまま放物線を描く様に町の方へと落下して行った。その光景を目の当たりにした銀時は頭の中が真っ白になる感覚を覚えた。
 もうだめだ、おしまいだ! あの生首を誰かに見られたら確実に殺人事件と誤解して警察に通報される。そうなったら人生オワタになってしまうのは火を見るより明らかだった。
 だが、幸いにも今の時刻は余り人通りは多くない。通行人に目をつけられる前に拾って処分すれば問題ないだろう。そう思いベランダから外を見る。其処には良いタイミングでやってきた新八が振って来た生首をキャッチしている光景を目の当たりにした。

「し、新八! 良い所に来た。すぐにそれを処分しろ! でないと指紋がついちまう! 俺達揃って獄中入りになっちまうよぉ!」
「獄中? 何言ってるんですか? 朝っぱらから騒々しいなぁ……これがどうかしたんですか?」
「だぁかぁらぁ! それを誰かに見られる前に処分しないとだなぁ―――」
「大丈夫ですよ、別にこれを誰かに見られたって僕達獄中入りしませんから」

 焦る銀時を他所に新八は冷静な顔をして
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