第3部
芙蓉編
第53話 ジャンプは資源ごみだから無闇やたらに捨てるのは勿体無い!
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また寝ぼけていたようだ。最早一刻の猶予もない。早くジャンプを回収せねばならない。頭の中に例の女が浮かび上がり恨めしそうにこちらを見つめてくる。
不気味な気配がそこかしこに漂ってくる。例えば、向いの家のゴミ捨て場とか―――
「はっ! 騙されるかよ、どうせゴミ漁りに来た野良猫とかだろ? そんなのに一々ビビる銀さんじゃねぇんだよ」
とか言いつつ恐る恐る向かいのゴミ捨て場を見る。其処にはちょうど銀時の目線の高さ位の位置にゴミを入れる容器が横倒しになって転がっていた。丁度中が見える位置に。そして、その容器の中にはダークグリーンの髪を生やした美しい女性の生首がゴロンと転がっていた。
「………え?」
【不審者発見。これより解析モードに移行します。対象者の心拍数上昇―――】
銀時の心臓の鼓動がみるみる内に高まっていく。そして、やがて銀時は後ろで寝ているなのはと同じ様に意識を手放しその場に倒れこんでしまった。そんな銀時を見てかそうでないのか、生首は最期にこう言葉を発した。
【目標、喪失しました、引き続き節電モードへ移行します】
と―――。
***
重い目蓋がゆっくりと開かれる。視界一杯に広がるのは見慣れた天井と温かな布団の温もり、そして、目の前に巨大な寸胴鍋を抱えて今にもその中身をかけようとしている少女の姿。
「待て待て待てえええええええ! 起きたから、俺もう起きて目とかバッチリ覚めたからぁ!」
「あ、本当だ! おはよう、お父さん」
しれっとそう言ってなのはは持っていた寸胴鍋をその場に置いた。鍋の中にはこれまた並々に入れられた熱い湯がぐらついているのが見えた。恐らく沸騰した直後の奴を持ってきたのだろう。危うくこの熱湯を大量に浴びる羽目になる所だったと銀時はつくづく安堵の溜息を吐いた。
「ご飯出来てるよ。今日は神楽ちゃんの要望で卵かけご飯だよ」
「あぁ、そうかい。んじゃいただくとするか」
起きた途端に覚える空腹感。窓の外を見ればすっかり太陽が江戸の町を照らしている。時刻的に言えば朝飯を食べるには上々の時刻と言えた。欠伸を一つし、体中から感じる気だるさを顔で表現しつつ起きる銀時を他所に、てけてけと居間へ戻り支度を始めるなのは。毎度毎度の万事屋の風景だったりする。
「あ〜あ、ったく―――」
一人愚痴りながらも寝巻きから普段着へと着替え、居間へと向う。其処には既に一通りの食事が整えられており、なのはと神楽が椅子に座って銀時が来るのを待っていた。
「あ、銀ちゃんやっと起きたアルか?」
「あぁ、危うく鍋一杯の熱湯をぶっ掛けられる所だったけどな」
既に慣れたとは思うかも知れないが実際慣れたくない。あれの凄まじさと言ったら体言するの
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