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駄目親父としっかり娘の珍道中
第3部
芙蓉編
第53話 ジャンプは資源ごみだから無闇やたらに捨てるのは勿体無い!
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「・・・・・・・・・」

 歯ブラシを握る手が恐ろしく震えていた。目元が真っ暗になり銀時の振るえは最高潮にまで達していた。このままジャンプをそのままにしておけば、最悪の場合あの女がやってくるかも知れない。
 あの厚着で痩せこけた不気味な顔と目をした恐ろしい女が銀時の目の前に―――




 昼はあれだけ賑わっていたかぶき町だが、夜になると一転して恐ろしい位に静けさに支配されていた。そんな静けさが漂う万事屋近くのゴミ捨て場前に銀時は来ていた。その横には不満たらたらな表情の神楽と既に意識もうろうな状態のなのはが居た。

「何でこんな時間に叩き起こすアルか?」
「いや、あれだよ。実はさぁ、明日燃えるゴミの日なのにも関わらずジャンプ捨てちゃったからさぁ、このままにしておくと清掃会社に良い迷惑じゃん? だから今の内に撤去しておこうと思ってさぁ」
「じゃぁお前一人で行けば良いじゃねぇか。何でわざわざこの小説のヒロインである私達を連れて来るネ? ヒロインは顔が命だって知ってるだろうが。染みが出来たらどうすんだよコノヤロー!」

 普段から毒舌の耐えない神楽であったが、今宵の神楽の毒舌は普段にも増して酷かった。まぁ、言ってる事が当たってると言えば当たってるかも知れないし外れてるかも知れない。

「いやさぁ、あれだよ? もしかしたら他にもとんでもないゴミが捨てられてるかも知れないじゃん。町内会の一員としてはそれは絶対に見過ごせないからさぁ」
「普段からやりもしない癖に何今更真面目ぶってるアルか? キモイアルよ」
「あぁ、もうきもくてもいいからよぉ、とにかくゴミ片付けるの手伝ってくれよ。お前等だけが頼りなんだよ、な」

 そう言って音沙汰の全く無いなのはに話題を振ってみる。だが、神楽とは打って変わりなのはは既に眠っているらしく立ったまま意識が飛んでいた。鼻からは鼻ちょうちんが大きくなったり小さくなったりしている辺り、既に熟睡モードに入っている事が見て取れていた。

「駄目だこりゃ。立ったまま寝ちまうなんて相変わらず器用なガキだなぁ」
「良いからさっさと取って来いよ。面倒だけどなのはをこのままにしておけないから此処で見ていてやるからよぉ」
「本当? 見ててくれるの? 有り難う神楽ちゃん! 俺マジでお前の事尊敬しちゃうよ! 畳の上を這い回るダニの次に尊敬しちゃうからマジで」
「やっぱり帰るアル」

 一言余計だった。完全に機嫌を損ねた神楽がそのまま万事屋へと戻って行ってしまった。
 その場で寝ているなのはを放っておいたまま。

「おいぃぃぃ! 待て神楽ぁぁぁ! せめて其処で器用に寝てるなのはを連れて行けぇぇぇ! そのままにしてたらそいつ風邪引くだろうがぁぁ!」
 
 大声で怒鳴るも、神楽は気にせずだった。どうやら神楽も
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