憎悪との対峙
18 終わり無き悪夢
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頭が痛んだ。
脳をナイフでえぐられている、記憶を引きずり出されそうになる感覚。
やっとの思いで立ち上がるも足元がフラつき、手からバルムレットを落した。
そんな中、頭の中で声が響いた。
-おい!コラ!頭いいからって調子のってんじゃねぇよ!!
-お前って生きてる価値ねぇよ。女見てぇに弱っちい顔して気持ちワリィィ!
-ホントさ、早く転校してくんない?君がいるだけでみんな吐き気がするからさ?
「うわぁぁぁ!!!」
両手のひらで耳を塞ぐ。
しかし声は全く収まる気配を見せない。
それどころかますます鮮明に聞こえてくる。
そしてとうとう視界にも変化が訪れた。
「あっ...あぁぁ...」
目に映ったのは、彩斗の姿だった。
抜け殻のようにかつてのクラスメイトに囲まれ、蹴られ、殴られ、蔑まれている。
自分が今まで受けていた不条理なイジメの光景だ。
ただ努力をしていただけだというのに、努力もせずに能力がないことに対して妬まれてしまう。
もはや人間に対する扱いではない。
悔しかった、何度も殴り返してやろうと思った、だが徐々に諦め始めていた。
彩斗自身もクラスメイト、いや学校の生徒全員を含めたデンサンシティ全体が下等生物に思えていた。
そんな連中を相手にするだけ無駄だと、いくら反撃しても連中はウジ虫のように絶えることなく湧き出てくる。
しかし必死に込み上げてくる感情を抑えながら、今日まで生きていた。
-アイツはいいって。アイツ、人間じゃねぇからさ
-ホラホラ!早くそれ食べなよ!ゴミが大好物でしょ?
-お前が座った後の椅子とか座りたくないわ、最悪....
-先生からも見限られたんでしょ?じゃあみんなで放課後、サンドバッグにしよ!
-大丈夫だって。先生も黙認するからさ!
「ぐぅぅぅぅ....うわぁぁぁ!!!うるさい!!うるさい!!!お前らなんか...お前らなんか!!」
スターダストは必死に目の前で彩斗をイジメる人間たちを掻き消していく。
だが何度も沸き上がってくる。
所詮イメージである以上、頭にある限り何度でも蘇る。
終わらない負の連鎖だった。
悪夢に囚われたまま、抜け出せない。
もう胸が張り裂けそうで、限界が近づいていた。
だが同時に彩斗=スターダストの中では悔しさが込み上げてきていた。
自分を倒すのがナイトメアでもなければ、自分でもない。
自分よりも劣っていることを棚に上げて不条理な暴力を振るってきた者たちの忌々しい記憶、恐怖、憎しみだった。
だがその光景を見て笑っていたナイトメアがとうとう動き出した。
『いい頃合いだな....エンドレス・ナイトメア!!!』
ナイトメアは棍棒をスターダストに向けると、コマンドを実行した。
「う!?
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