第28話「麻帆良祭〜本質と布石〜」
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
麻帆良祭は2日目に突入していた。
今頃、武闘大会は大いに賑わっていることだろう。ネギとタカミチ先生の決闘には少なからず興味を惹かれるが、昨日にネギの大体の実力を測ることが出来たのでよしとしておく。
「……にしても」
でかい。
俺は今、麻帆良の地下、大きな下水道にいた。
確かこの奥には、これまた驚くようなもっと巨大な空間が出来ていたはずだ。何かの研究施設と思われるが、そこはまたふみこんで見なければ分からない。
下水道を一直線に進み、道半ばアタリだろうか。
「……道に迷わないか?」
つい普段どおりの心配が脳裏をかすめ、普通とは少し別の意味で心配になった時だった。
不意に背後から声をかけられた。
「やれやれ、こんなところまで来てしまたカ」
次いで前方から。
「さすがに鼻が効くようだが、一人で踏み込んできたのは少し無謀だったのでは……大和先生?」
後ろは問題児、超鈴音さん。そして前方には、彼女に雇われたのだろうか、色物ぞろいの3−Aの中でも屈指の実力を誇る龍宮真名さん。
彼女達がここにわざわざ姿を現したということは、狙いは良かったらしい。
「当たり」
小さく呟く。が、そんなことを呑気に言っている場合ではない。
助っ人を用意してくるのは予想してたがまさか龍宮さんとは……これは少しマズイか。
内心、冷や汗を垂らしつつ油断なく2人を見やる。
「副担任に対し申し訳ないが……私には時間がないネ」
時間がない……どういうことだ?
などと聞く時間もない。超さんはにっこりと微笑み、言い放つ。
「明日、学祭が終わるまでの少し間……大人しくしていてもらうヨ」
「……あれ?」
機械式の拘束具に体を固定され、窮屈な思いで過ごしていたタケルだったが、新たに捕らえられてきたらしいタカミチ先生を認め、呑気に苦笑してしまった。
「タカミチ先生も捕まったんですか?」
「はっはっは、情けないことにね……そういうタケル君も?」
いつも通りのくたびれた笑顔で返すタカミチに、彼もいつものように無表情に答える。
「なかなか優秀な生徒達で」
「本当に、元教え子ながらなかなか将来が楽しみだよ」
「確かに、そうですね」
捕まっているとは思えないほどに朗らかに会話を交わす彼等は、さすがに度胸がすわっているとでもいうべきか。
「さすがに要注意人物は神経が図太いネ」
超の登場に彼等の顔が一気に引き締まった。
「スマナイね、先生方。手荒な真似をする気はなかたのだが、何しろ時間がなくてね。急遽予定を繰り上げたヨ」
「異常気象で世界樹大発光が早まったからかな?」
「正解……
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ