第28話「麻帆良祭〜本質と布石〜」
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ローラーにも表示されず、魔法教師達の探知にも引っ掛からない。それはつまり、この場から去ったのではない。
正に文字通り、この世界から消えたということ。
「タイムマシン……そして、消える」
――つまりはタイムマシンによる時間跳躍。
いや、この考え自体は大体予想していた。だがやはり実際に見るかどうかでその答えも対処法も変わってくる。
これが彼女の大きな隠し玉。これを上手く用いることが出来れば、一瞬だけ消えて現れて不意をついたり、気配すら諭されずに移動することすら可能となる。というか、先ほどのように何の前触れも見せずに消えることが出来ているあたり、瞬間移動程度なら簡単に行使するだろうことは簡単に予想できる。
もちろんこれも元々予想していたことだが、こうして事実として目の前で繰り広げられてこそ信ずるに足る情報となりうる。
「9割方はあってると考えても良さそう……か?」
原理はわからないため、絶対だと決め付けることはしない。違っていたときに混乱しないためだ。
だがともかく、彼女が時間を跳躍していると仮定したとして。
その跳躍先が未来か過去かは分からないが、そんなことは大事なことではない。大事なのはその事実そのもの。
「……あとは」
――手段、方法……だな。
ネギに渡したような携帯式のタイムマシンを常時肌身離さず持っているのか。それとももっと実戦でも使えるように改良しているのか。また使うときには何らかの癖があるのか、発動までのタイムラグはどれほどなのか……etc。
これは実戦の場を見なければ分からない。
「勝負は明日……彼女の言葉どおりだな」
今日も午後からは告白阻止当番の仕事が待っている。今日はもうこれ以上の情報は得られそうにない上に、そろそろ仕事の時間になる。
諦めたように呟き、何気なく時計に目を配って新たな事実に気付く。
本日の当番は13時から。
そして、今は13時5分。今頃タケルと交代する手はずになっている弐集院先生はヤキモキしているころだろう。
「……遅刻だ」
急ぎ、現場に向かうのだった。
舞台は2日目の午後へ。
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