邂逅
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いに胸を高鳴らせる響だが、楯無は響を解放すると、一夏の方へ歩を進めた。
それを見送りる響の後ろには黒いオーラを纏ったラウラとセシリア、シャルロットが控えていた。
「……響さん、今のは一体どういうことですの?」
「……納得のいく説明をしてもらいたいものだな」
「……ちゃんと答えてね響?」
後ろから感じる威圧感にまた別の意味で口角をヒクつかせた響だが、ふとそこで楯無が合図を送った。一夏が休憩に入ったのだ。
彼はそのまま教室を出て行く。恐らく先ほどの合図は追えということなのだろう。
「悪いお前ら。ちょっとばかしまわってくる。その話はまた後でな」
響はすぐさま椅子から跳ね起きると、三人の返事を聞かないまま一夏の後を追った。
一夏の後をつける響は同時に周囲にも気を配る。今のところ特に何もないようだが、その瞬間は突然やって来た。
一夏が階段の踊り場へと差し掛かったところで、彼に声をかけるスーツ姿の女性がいたのだ。
尾行していることがばれないように響は降りることはせず、階段の影から二人の姿を見張る。
女性のほうはなにやら名刺のようなものを一夏に渡しているようである。はたから見れば一夏へIS用の武装の提供などと言った勧誘だろう。
しかし、響はその女性が纏う雰囲気を無意識のうちに感じ取り、ギラリとその歯をむき出しにし笑みを浮かべる。
……うまい感じに隠してるつもりなんだろうが……。それじゃあ私の目は誤魔化せねぇ。
女性が纏っている雰囲気では一般人では感じ取ることも出来ないであろう闘争心だ。戦いたくてたまらない。相手を潰したくてたまらない。弱者を捻り潰したい。などと言った狂気にも満ちた雰囲気をその女性は持っていたのだ。
すると、話が終わったのかそれとも一夏が強引に切ったのかわからないが、一夏は踊り場から降りた。
その後を追い、響もまた階段を下りるが、彼女は先ほど一夏と話していた女性の隣を通り過ぎる時、彼女に向け以前ラウラにしたときと同じように殺気を放つ。
瞬間、女性が反応するが、既にそこに響の姿はなく彼女は僅かに首をかしげた。
階段の影でそれを確認した響はもう一度ニヤリと笑みを浮かべ、小さく言い放った。
「……いい反応じゃねぇか亡国機業。それがハッタリじゃねぇことを祈るぜ……」
響はそのまま一夏の尾行を続けるため人の波へと消えていった。
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