邂逅
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シリアから逃げる響が全力で走っているためか、セシリアは引き離されてしまう。しかし、彼女はニヤリと笑うと、高らかに告げた。
「行きましたわラウラさん!!」
叫ぶと同時に響の前方にラウラが現れる。彼女の手にはロープの束が握られており、更にロープの先端にはゴム製と思われる鍵爪が取り付けられていた。
「お前もかよ!?」
「あぁ、学園祭は皆で楽しむべきだと言われたのでな」
「また例の副官か!!」
目の前に立つラウラに向かって速度を緩めずに駆ける響はあきれ返った表情をするものの、廊下を力強く蹴ると、ラウラの頭上を飛び越え、彼女の後ろに華麗に着地しまたしても一気にかける。
しかしラウラもこれは想定していたようで、冷静に響を見据えると持っていたロープを回し、鍵爪を響に向かって全力で投げる。
「そんなもんが効くかってぇの!!」
「それぐらいわかっているさ。時に響、前方はよく見たほうがいい」
投げられた鍵爪つきロープを軽々と避けた響に対し不敵な笑みを浮かべたラウラ。それに怪訝な表情を浮かべた響は前方を見る。
「……おいおい」
頬を引きつらせる響の瞳には、ロケットランチャーを構えるシャルロットの姿があった。
「ゴメンね響。けど、今回はおとなしくつかまって欲しいかな!!」
「学校でそんなもん撃っていいのかよ!!?」
「心配するな。織斑教官からは許可状はもらっている」
響の後ろで誇らしげに胸を張るラウラに内心で舌打ちをしながらも、響は逃げ場がないかと辺りを見回す。
すると、シャルロットの少し手前の窓が開いているのに響は気がついた。
……一か八か!!
内心で覚悟を決めた響はラウラのときと同じく速度を一切緩めず突き進む。シャルロットは響をしっかり射程内に納め、引き鉄をひいた。
「終わりだよ!!」
打ち出された弾は実弾ではないが、それは響に向かうにつれ形状を変化させ大きな網になった。
やがて響に着弾する頃には網は廊下いっぱいに広げられ、逃げ場がないように見える。
「なんのこれしきぃ!!」
響は叫ぶと、スライディングの要領で廊下の端を沿うように網を潜り抜けた。幸いにも網の形が丸だったので廊下の隅に僅かながら隙間が生まれていたのだ。
すばやく立ち上がる響はシャルロットのギリギリ手前で止まると、窓の桟に足をかけ二階から飛び出した。
そのまま地面に着地した響は上で悔しがっているであろう三人を見るため振り向こうとするが、背後に殺気じみたものを感じた。
「残念。引っかかってくれてありがとう響ちゃん!」
人を試すようでありながら、お茶らけたようでもある聴きなれた声にすぐさま退避行動をとろうとするが、既に時遅く
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